Stable Diffusion WebUI インストール&セットアップ !〜最新Linux Mint 22 Cinnamon editionでStable Diffusion WebUIを使う・・nvidia-cuda-toolkit、pyenv、Stable diffusion WebUI

 

今回は、Linux Mint 22 Cinnamon editionにNvidiaドライバーのインストールが終了した以降のWebUIセットアップの流れを中心にまとめていきます。Nvidiaドライバーのインストールが完了していない場合は、前回投稿記事を参考にこれを完了させてください。

1.WebUI設定の前提

①WebUIで使用するWebブラウザに関して

Flatpak版でないGoogle Chromeを使用します。

②WebUIインストール先

ホームディレクトリとします。

③ Python3マルチバージョン管理Pyenv関して

WebUIの要件としてPython3のバージョンが、3.10.6・・という項目があります。最新Linux Mint 22はUbuntu 24.04 LTSベースであり、Python3のバージョンも3.12.3に上がっています。このため、本稿では、pyenvをインストール・使用して、WebUIをインストールするホームディレクトリ内では、Python3のバージョン3.10.6を、ホームディレクトリ以外ではOS標準のバージョン3.12.3を使うよう設定します。

④Python3 仮想環境に関して

Python3仮想環境はホームディレクトリ直下、名前はsdとします。

⑤使用するグラフィックスカード

Nvidia GEFORCE RTX 4060Ti 16GB

2.Google Chromeインストール

Google ChromeのダウンロードページからChromeをダウンロード&インストールします。
流れは以下の通り。


次にインストールしたChromeを一旦起動します(メニュー→インターネット→Google Chrome)。
OKボタンを押下してChrome起動

以上でデフォルトWebブラウザがGoogle Chromeに切り替わり、WebUIでデフォルト使用されるブラウザとなります。

2.nvidia-cuda-toolkitインストール

nvidia-cudaにはgccが必要ですが、これはpre-install済みです。このため、nvidia-cuda-toolkitのみをインストールすればOKです。

ターミナルに以下コマンドを投入します。

→sudo apt install nvidia-cuda-toolkit

インストール後、nvcc -Vをターミナルに投入。以下のような内容が表示されればnvidia-cuda-toolkitのインストールは成功しています。

3.pyenv、WebUI環境構築に必要なライブラリ、ツール群のインストール

ターミナルに以下コマンドを投入します。
sudo apt install python3-venv python3-dev git wget google-perftools libssl-dev libbz2-dev libreadline-dev libsqlite3-dev llvm libncurses-dev tk-dev libffi-dev liblzma-dev

4.pyenvインストール&環境設定(pyhon3バージョン3.10.6インストール含む)

4.1 Pyenvインストール

ホームディレクトリにて、以下コマンドを投入(ターミナル使用)

→curl https://pyenv.run | bash

4.2 Pyenv環境設定

ホームディレクトリ直下の.bashrcに以下を追記し保存します。

##pyenv
export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
[[ -d $PYENV_ROOT/bin ]] && export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"


追記→保存後、ターミナルで以下コマンドを投入し(ホームディレクトリ直下で)上記追記内容を現セッションに反映させます。

source ./bashrc

以上で、Pyenvのインストール&環境設定は終了です。

4.3 Python3 バージョン3.10.6のインストール

ホームディレクトリにて以下コマンドを投入し、Python3バージョン3.10.6をインストールします。

pyenv install 3.10.6

3.10.6は、ホームディレクトリの.pyenvディレクトリに格納されます。

4.4 Python3マルチバージョン管理

ホームディレクトリにWebUIをインストールするため、ホームディレクリ内では、バージョン3.10.6のPython3を使用するよう設定します。これは、ホームディレクトリで、以下コマンドを投入すればOK。

pyenv local 3.10.6

これにて、ホームディレクトリでは、バージョン3.10.6、それ以外では、OS標準のバージョン3.12.3のPython3が使用されるようになります。

5.Python3 仮想環境作成・初期化

WebUIで使用するPython3仮想環境を作り初期化します。

ホームディレクトリにて、ターミナルに以下コマンドを順次投入

python3 -m venv sd
source sd/bin/activate

仮想環境に入った事を確認して以下を投入。仮想環境から出ます。

deactivate

以上で、WebUIインストール準備が整います。

6.Stable Diffusion WebUIインストール&環境設定

6.1 Stable Diffusion WebUIインストール

ホームディレクトリ直下で以下コマンドをターミナルに投入。

wget -q https://raw.githubusercontent.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui/master/webui.sh

上記処理にてホームディレクトリ直下に置かれたwebui.shに実行権を付与

chmod +777 webui.sh

webui.shを実行

./webui.sh


以上で、stable diffusion WebUIのインストールが開始します。インストール完了後WebUIが起動しますが、一旦ターミナルとWebUI(Chrome)を終了させます。


6.2 Stable Diffusion WebUI環境設定

WebUIインストール後、stable-diffusion-webuiというディレクトリがホームディレクトリ直下に出来ますので、この下のwebui-user.shにWebUI環境変数を設定します。設定する内容としては、python3仮想環境の場所、TMCalloc、WebUI起動時引数等です。WebUI起動時引数はグラフィックスのVRAM容量等で変わります。筆者は以下のように設定しています。

##########################################################
# Stable Diffusion WebUI env setting
##########################################################
#!/bin/bash
#########################################################
# Uncomment and change the variables below to your need:#
#########################################################

# Commandline arguments for webui.py,
export COMMANDLINE_ARGS="--xformers"

# python3 venv without trailing slash (defaults to ${install_dir}/${clone_dir}/venv)
venv_dir="$HOME/sd"

# TCMalloc setting up
PATH=$PATH:/usr/sbin
###########################################


以上で、ホームディレクトリ直下のstable-diffusion-webuiディレクトリ下にあるwebui.shを起動すればWebUIが環境変数にしたがって起動します。

7.総評

若干面倒な処理とはなりますが、最新Linux Mint 22に対してstable diffusion WebUIのインストール方法についてpyenvを使う方式でまとめてみました。Mint 22に対するnvidiaドライバーのインストールについては前回投稿記事でまとめていますので、興味のある方はそちらをどうぞ。Windows 11のWebUIよりは若干高速のような気がしますが、誤差程度です。

これで自作PCに対する最終的な環境構築終了です。ComfyUIに関してはそのうちという事にして一旦自作PCに対するセットアップは終了とします。


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