Linux Mint 22 "Wilma" Cinnamon edition(Ubuntu 24.04LTSベース)〜Dualグラフィックス構成(CPU内蔵グラフィックス+最新Nvidiaグラフィックス構成)におけるインストール&セットアップ時の注意事項

 


自作PCを、Core i5 13500(内蔵グラフィックス有り)+Nvidia RTX 4060Ti 16GBという構成(Dualグラフィックス構成)にしたおかげで、Ubuntu 24.04 LTS系Linuxのインストールも普通に行えず、致し方なく、面倒な処理を地道に行うしかありませんでしたが、なんとか、Ubuntu 24.04 LTSベースLinux Mint 22 Cinnamon edition、Nvidiaドライバー&Cuda、stable diffusion WebUIのインストール&設定が完了しましたので、今回は特にOS及びNvidiaグラフィックスドライバーインストール時の注意事項を中心に投稿を進めていきます。今回インストールしたLinux Mint 22 Cinnamon editionの詳細に関しては、上記スクリーンショット2枚目を参照下さい。またインストール先自作PCの構成は以下のようになります。

CPU:Core i5-13500(内蔵グラフィックス有り)
Memory: 64GB
Storage : 500GB SSD(1TB側はWindows 11 Proが動作)
Graphics:Nvidia GFORCE RTX 4060 Ti 16GB

上記構成の場合、仮にRTX4060Tiが壊れたとしても、CPU内蔵グラフィックスによりPCを使い続ける事は可能なため、上記構成を採用しましたが、Linuxの種類によっては、これが面倒な処理を行う事となる原因となります。

1.Linux Mint 22 Cinnamon editionインストール時の注意事項

まずOSインストールに関しては、CPUに含まれる内臓グラフィックスとNvidiaグラフィックスがコンフリクトを引き起こすため、以下の手順が必要になります。

①Linux Mint 22 Cinnamon editionをインストールメディア(USB)からブートアップさせ、インストールを行っていくわけですが、この際普通にGRUBメニューの”Start Linux Mint 22 Cinnamon 64”を選択しても画面がブラックアウトし、処理が先に進めません。インストール時には、”Start Linux Mint 22 Cinnamon 64”の次の行にある”Start Linux Mint 22 Cinnamon 64 (Compatibility mode)"を選択する事。これでインストールが無事処理できます。

②Mintインストール後再起動すると、Mint GRABメニューが画面に表示されます。ここでいつもなら”Linux Mint 22 Cinnamon"を選択すれば正常にブートアップしますが、上記自作PCのようなDualグラフィックス構成だとブラックアウトしてブートアップできません。このため、”Linux Mint 22 Cinnamon"の次の行の”Advanced options for Linux Mint Cinnamon”を選択→”Linux Mint 22 Cinnamon, with Linux 6.8.x-xx-generic(recovery mode)”を選択 →"Root Drop to root shell prompt"を選択するとRootでコマンド入力ができる状態になるため、以下を順次投入し、nouveauを止めます(Linuxカーネルx-xxの部分は使用しているカーネルレビジョン番号)。

→sh -c "echo 'blacklist nouveau' > /etc/modprobe.d/blacklist-nouveau.conf"
→sh -c "echo 'options nouveau modeset=0' >> /etc/modprobe.d/blacklist-nouveau.conf"
update-initramfs -u

上記処理終了後、再起動→GRUBメニューで、”Linux Mint 22 Cinnamon"を選択すれば、Mintが正常にブートアップします。以降起動処理は、”Linux Mint 22 Cinnamon"の選択でOK。

2.Nvidiaグラフィックスドライバーインストール時の注意事項

Mintドライバーマネージャーで表示される搭載Nvidiaグラフィックス対応グラフィックスドライバー(535)を導入しても当方自作PCに搭載するRTX 4060Ti 16GBではNGです。これは実際やってみましたが、Mint 21.3”Edge"の時と同様動作しません。このため、repositoryからインストール可能なNvidiaグラフィックスドライバーを検索し、最も新しいドライバーを導入します。
なお、下記処理を行う前に必ずMint 22 Cinnamon editionのアップデート処理は完了させてください。

2.1 Nvidiaドライバーの検索とインストール

ターミナルに以下コマンドを投入しインストール可能なNvidiaドライバーを表示させます。
→sudo apt search nvidia-driver-*

表示されるドライバーリストから、最も新しいnvidia-driver-550をインストールします。

→sudo apt install nvidia-driver-550

以上処理終了後、再起動→ターミナルにnvidia-smiを投入、以下のような結果が表示されればnvidiaドライバーのインストールは成功しています。


2.3 他Mint 22 Cinnamon editionの設定事項

概ね過去に掲載したMint記事の通りですが、Input Methodはfcitx5-mozcをインストールしています。

→sudo apt install fcitx5

logout/loginで使用可能となりますが、ならない場合は再起動してください。

3. 総評

当方の構成のようなRTX40系+CPU内蔵グラフィックスの場合、Ubuntu 24.04系は手間を若干かけないとインストーラの起動さえままならない事となります。また、グラフィックスドライバーについては、少なくとも当方が使用しているRTX 4060Ti 16GBについてはrecommendedドライバーや、同じバージョンのopen系ドライバーをインストールしても動作しません。古めのグラフィックスを使用している場合は大丈夫かもしれませんが、最新のものを使用していて、うまく動かない場合、新し目のNvidiaグラフィックスドライバーをPPA設定等してインストールする・・という事ではなく、Mint/Ubuntu repositoryからバージョン550のドライバー(現在のバージョンは550.90.07)がインストール可能となっていますので、まずはこのドライバーを試してみることをお勧めします。

尚、stable diffusion WebUI設定では、Mint 22のPython3のバージョンが、3.12.3のため、pyenvを使って、別途3.10.6をインストールし、python3のマルチバージョン管理を行う必要があります。当方環境ではhome directory以外ではOS標準の3.12.3、home directory内(WebUIインストール先)では、3.10.6のpython3を使用するよう設定しています。


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