Fedora 38 〜Gnome 44・カーネル6.2搭載Fedora 38をクイック設定・・日本語入力環境はデフォルトのibus-anthyからfcitx5-mozcに変更します・・

 


Fedora 38リリースです。カーネル6.2、Gnome 44搭載・・Ubuntu23.04よりもちょっとだけ早くリリースされてきました。Gnome 44による機能性の大幅な向上もありますが、特にflatpakとFedora repositoryからのソフトウエアインストール・アップデート・削除を統合的に管理する”ソフトウェア”まわりの機能性が変わったのが一番大きいかもしれません。

Gnome 44という最新バージョンのため、gnome拡張機能の代表的なものが間に合ってない感がありますが、Dash to dockについては間に合ったので良しとしましょう。

さて今回は、クイック設定という事で必要最低限Fedoraを困らないレベルで利用可能とする必要事項に絞って投稿します。ただし、日本語入力環境についてはデフォルトでインストール・設定されるibus-anthyからfcitx5-mozcに切り替えます。Fedoraって何という事に関しては以前投稿していますのでそちらを参照ください。

と・・言うことで早速投稿を進めていきます。


1.概要

1.1 デスクトップ環境:Gnome 44

1.2 ディスプレイマネージャ:Wayland

1.3 カーネル:6.2シリーズ

1.4 ソフトウェア管理:rpmパッケージ(dnfコマンドにより操作)、flatpakパッケージ(flatpakコマンドにより操作)を統合的に管理する”ソフトウェア”による

2.インストール(GPT/uefi、Secure boot off)

*インストールにあたっては、解説をシンプルにするためFedora 38インストール先DISKのパーティションを事前にすべて削除しています。

インストール先をクリック
インストール先Diskをクリック→インストール先が決定されます
”インストールの開始”ボタンを押下
以上でインストールは完了です。インストール先に関しては筆者の環境であるため参考になりません。

2.初期設定

インストール→再起動すると最初に表示されるセットアップWindowにて初期設定を行います。この後、repositoryの最適化及びシステムアップグレードを行います。

2.1 セットアップWindowによる初期設定

”セットアップ開始”ボタンを押下
”サードパーティーのリポジトリを有効にする”ボタンを押下。これによりflatpakが”ソフトウェア”にて取り扱えるようになります
オンラインアカウントの設定を行う場合はこちらから。筆者は、Googleのオンラインアカウント設定を行っています
ユーザーアカウント定義
ユーザーアカウントのパスワード設定
”Fedora Linuxを使い始める”ボタンを押下
Gnome 44についてよく知りたい場合は、”ツアーを始める”ボタンを押下。そうでない場合は、”いいえ結構です”ボタンを押下

以上で”セットアップ”Windowによる初期設定は終了です。

2.2 Fedora repositoryの最適化とアップグレード

まず、/etc/dnf/dnf.confを管理者権限でOpenして、末尾に以下2行を追加し保存します。

fastestmirror=True
max_parallel_downloads=10

次に、ターミナルを起動して、以下コマンドを投入し、システムアップグレードを完了させます。

→sudo dnf update

途中で2度、y/nを聞かれますが、全てyを入力します。

以上で、repositoryの最適化処理、システムアップグレードは完了です。

2.3 Gnome Tweaks(Tweaks)、Extension Managerのインストール

この後の設定に必要なGnome Tweaks、Extension Managerをインストールします。
これは、”ソフトウェア”を使用します。

2.3.1 Gnome Tweaksのインストール

”ソフトウエア”にてgnome-tweaksを検索→→検索結果が検索ボックスの下に出るため、これをマウスクリック
”インストール”ボタンを押下
上記状態になればGnome Tweaksのインストールは完了です

2.3.2 Extension Managerのインストール

”ソフトウェア”にてextension managerを検索→検索結果が検索ボックスの下に出るため、これをマウスクリック
インストールボタンを押下
上記状態になればExtension Managerのインストールは完了です

3. 日本語化残処理

3.1 デフォルトフォントの変更

デフォルトフォントの変更はGnome Tweaks(Tweaks)→フォントタブを使用します。noto sans cjk jp系フォントへ変更します。

以上でフォントの見栄えが格段によくなります。

3.2 日本語入力環境fcitx5-mozcのインストール&設定と切り替え

Fedora 38では、日本語指定でインストールすると、デフォルトの日本語入力環境としてibus-anthyが設定されます。ここでは、fcitx5-mozcをインストールし、ibus-anthyから切り替えます。

3.2.1 fcitx5-mozcのインストール

まず、fcitx5-mozcのインストールは、ターミナルを起動し、以下コマンドを投入します。

→sudo dnf install fcitx5 fcitx5-mozc fcitx5-autostart fcitx5-qt fcitx5-gtk fcitx5-configtool

途中y/nを聞かれますが、yを入力します。

3.2.2 ibus-anthyからfcitx5-mozcへの切り替え

次に、日本語入力環境として、ibus-anthyからfcitx5-mozcに切り替えます。これは以下コマンドを投入します。

→sudo alternatives --config xinputrc
type selection numberの右横に”2"を入力してエンターキーを押下します

3.2.3 fcitx5環境変数の設定

ホームディレクトリ直下の.configディレクトリにenvironment.dディレクトリを作成します。

→mkdir ~/.config/environment.d
~/.config/environment.d ディレクトリ配下に"00-fcitx5.conf"を以下の内容で作成します。

INPUT_METHOD=fcitx5
GTK_IM_MODULE=fcitx5
QT_IM_MODULE=fcitx5
XMODIFIERS=@im=fcitx5

3.2.4 パネルにinput merthod panel(gnome拡張機能)を追加

fcitx5-mozcを使用する日本語入力環境とした場合、gnomeでは、パネル上に日本語入力環境の状態や設定を行うためのindicatorが表示されません。このためgnome拡張機能:input method panelをインストールします。これにはExtension Manager→”探す”タブを使用します。


"kimpanel"で検索→検索結果が下に出ますので、その右横にある”追加”ボタンを押下します
上記のように"追加"が”追加済み”に変われば、input method panelのインストールは完了です

以上で一旦再起動します。これにてfcitx5-mozcが使用可能となります。

3.2.5 fcitx5 キーボード設定

再起動→loginにてfcitx5-mozcが利用可能となるとともにパネル上にinput method panel(im-indicator)が表示されます。ところがfcitx5のキーボード定義が英語(US)になるため、これを収拾します。

パネルのGnome拡張機能:input method panel(キーボードアイコンとして表示されます)上でマウス左ボタンクリック→表示されるメニュー中の”設定”を選択し、fcitx5の設定Windowを表示させます。

上記のようにし、適用ボタンを押下
適用ボタン押下で怒られますがYesボタンを押下し処理を進めます

パネルのGnome拡張機能:input method pane上でマウス左ボタンクリック→表示されるメニュー中の”設定をリロード”を選択します(logout/loginでも構いません)。

以上で、fcitx5-mozc関連の設定は全て完了します。これにて、fcitx5-mozcを使用した日本語入力は問題なく行えるようになります。


4.評価

機能性:S、安定性:A、軽快性:A-、インストール→初期設定→日本語化残処理の平易性:Aとなります。
日本語入力環境がibus-anthyで良ければ、日本語指定でのインストールのみでアプリケーションの日本語化も完了する事から、設定全体の平易性はA評価となります。日本語入力環境をfcitx5-mozcに変更する場合は若干手間がかかりますが、使い勝手は保証できます。

今回、Fedora 38の機能性に関しては投稿していませんが、インストールプロセスがブラッシュアップされた上に、機能性としてもかなり高く、安定性も◯、過去にリリースされたFedoraの各バージョンと比較しても最も出来が良いと思います。

尚、冒頭等のデスクトップのスクリーンショットは、Dash to dock等のgnome拡張機能のインストール&設定等を行った結果で、実際今回投稿した内容のみで設定した結果は、以下のようなシンプルなデスクトップとなります。このあたり注意ください。


非常におすすめの一本となります。


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