MX-21.3 "Wildflower" AHS edition 〜最新MX-Linux AHS(Advanced Hardware Support)版を設定する・・Kernel 6及び最新Xfce 4.18搭載の人気Linuxの出来は如何?

 




antiX 22がリリース済みであるため、MXもバージョン22をリリースするかな・・と思いきや、21.3を投入・・という事となり、デスクトップ環境をXfce 4.16から最新Xfce 4.18に移行、AHS版では6.0カーネルをサポート・・という感じでリリースされてきました。これら以外に細かいバグfixやアプリケーションアップデートを含んだ新しいMXインストールメディアを使用して、今回は、MX-21.3 "Wildflower" AHS(Advanced Hardware Support) editionをインストール・設定していきます。

軽量・高機能という事で世界的に人気の高いsystemdフリーのMX Linuxですが、AHS版は、Ubuntuで言う、HWEと目的は同等であり、最新のハードウェアをサポートするために提供されます。MX-21.3 AHSで提供されるカーネルバージョンは、"6"であり、"6.1"もインストール可能となっています。標準でデスクトップに表示されるConkyテーマは日本語化されていますが、pre-installされる他のConkyテーマで日付表示するタイプは日本語表示部分が化けたり、日付表示順が欧米風になっていますので、Conkyテーマの修正か英語モードで起動する必要が出てきます。
pre-installアプリケーションの日本語化、及び日本語入力環境fcitx-mozc等のインストールはMXパッケージインストーラーを使用しコマンドレスで行えるようになっている所は◎、本パッケージインストーラーを使用してflatpak標準repository(flathub)の追加・flatpakアプリケーションのインストールも行えます。また、repositoryの最適化もMXリポジトリーマネージャーを使い、1オペレーションで行えるようになっているのは流石です。

と・・言うことで早速投稿を進めていきます。

1.MX-21.3 "WildFlower" AHS edition概要

1.1 ベース:Debian 11.6 "Bullseye"
1.2 デスクトップ環境:Xfce 4.18
1.3 カーネル:kernel 6ライン(6.1のインストールも可能)

2.インストール(GPT/uefi、セキュアブートOff)

2.1 インストーラー初期設定

MX 21.3 AHSインストールメディアでPC等を起動後インストーラーの初期設定画面が表示されますので、日本語環境でインストール可能なように初期設定を行います。

"Language"を選択→エンターキー押下
"Language"を選択→エンターキー押下
”lang=ja_JP:日本語”を選択→エンターキー押下
”メインメニューへ戻る”を選択→エンターキー押下
"MX-21.3 ahs x64"を選択→エンターキー押下

以上で、日本語環境下にてMX-21.3 ahs x64が起動します。フルーガルを使用する場合は、詳細オプションの設定が必要となりますが、ここではフルーガルは使用せず、SSDに通常インストールしますので、詳細オプションの設定は行いません。

2.2 インストール

”MX ウェルカム”画面が表示されるため、”MX Linuxをインストール”ボタンを押下します
次へボタンを押下
インストール先、方法を指定します。筆者は、ディスク全体を利用して通常のインストールを選択します。インストール先はデュアルブート構成のLinuxインストール先であるTOSHIBA RC-100です
次へボタンを押下
フォーマットして使用するため”はい”ボタンを押下
コンピュータ名、ドメイン、Sambaに関する設定を行います
筆者は上記のように設定し、次へボタンを押下(Sambaを使用する場合はSambaサーバーの箇所にチェックをいれたままにしてください)
デュアルブート構成時にはMX使用後、Windows側の時計に狂いが生じるため、ここで、”システムクロックに現地時間を使用する”にチェックを入れます。MXはsystemdフリーのため、timedatectlコマンドは使用できませんので注意ください
次へボタンを押下
アカウント設定を行い、次へボタンを押下
完了ボタンを押下し、MXを再起動します

注意)インストール先等、筆者のPC環境に依存する箇所は参考になりません。

3.初期設定

3.1 MXウェルカム画面による初期設定

インストール→再起動→loginすると、MXウェルカム画面が起動します。
ここではこれを使用した初期設定を行っていきます。

MXウェルカム画面

① MXツール(設定ツール)を使った初期設定

MXウェルカムの”設定ツール”をクリックするとMXツールが起動します。ここではMXツールを使った初期設定を解説していきます。

MXツール画面

①−1 MXコーディックインストール

マルチメディア処理を過不足なく行うためのライブラリのインストールを行います。これは、MXツールのMXコーディックインストーラをクリックする事によって行います。

MXツールの中の”MXコーディックインストーラー”をクリックします
OKボタンを押下します
OKボタンを押下します

①−2 MXサウンドカードの選択

筆者のハードウェア構成では、PC本体とMiniドックにサンドカードが搭載されています。このため、MXツールの”MXサウンドカードの選択”を使って利用するサウンドカードを特定します。

"MXサウンドカードの選択"をクリック
サウンドカードをプルダウンメニューから選択し、適用ボタンを押下します
適用ボタン押下→閉じるボタン押下

①−3 リポジトリの最適化

より高速なリポジトリサーバーを使ってソフトウェアのインストール・更新等を可能にする処理です。これはMXツールの”MXリポジトリマネージャー”を使用します。

”MXリポジトリマネージャー”をクリック
MXリポジトリは日本語指定でインストールした場合、リポジトリとして国内サーバーがセットされますので、触る必要はありません。このためDebian リポジトリタブに移動します
”自分用に最速のDebianリポジトリを選択”ボタンを押下します
リポジトリの再構成が開始されます
最速のリポジトリが構成されますので、閉じるボタンを押下します

② 詳細設定(パネル、その他)を使った初期設定

次にパネルの位置を左端からデスクトップ上部に移動します(筆者の場合は、plankをデスクトップ下部に配置するためこのような設定を行います)。このためにMXウェルカムの”詳細設定(パネル、その他)”を使用します。

”詳細設定(パネル、その他)”をクリックします
”パネルを水平方向に表示”にチェックを入れ、その横に配置されるプルダウンメニューから”上”を選択します。
適用ボタンを押下します
パネルがデスクトップ上部に移動します。

以上でMXウェルカムを使った初期設定は完了です。

3.2 システムアップデート・アップグレード

ターミナルを起動し、以下コマンドを投入します。

→sudo apt update && sudo apt upgarde
sudoコマンド投入時は自身のアカウントのパスワード入力が必要となります。また本処理の最中にアップグレード処理を進行させるかどうか聞かれますので、その際には"Y"を入力します。

以上でシステムアップデート・アップグレードの処理は終了です。

4.追加アプリケーションインストールと日本語化処理、flatpak設定

ここでは主にMXパッケージインストーラを使用し、追加アプリケーションのインストールとpre-installアプリケーションの日本語化、日本語入力環境のインストール&設定、flatpak環境の構築と、必要に応じてflatpakアプリケーションのインストールを行います。追加アプリケーションのインストールに関しては、参考までにという事になります。

アプリケーションメニューから”MXパッケージインストーラー”を選択・起動します
pre-install済みのアプリケーションはチェックがついて表示されます。筆者がチェックしインストールするBrowserセクションの追加アプリケーションは、ChromeとEdgeです。
次にDocksセクションに入ります。筆者がチェックし、インストールする追加アプリケーションはPlankです
次にGraphicsセクションに入ります。筆者がチェックしインストールするアプリケーションはGIMPです
次にVideoセクションに入ります。筆者がチェックしインストールする追加アプリケーションはVLCです
次に言語セクションに入ります。ここでは、pre-installアプリケーションの日本語化(置き換えかもしれません)、日本語入力環境インストール(fcitx-mozc)を行います
Japanese_Firefox、Japanese_Fonts、Japanese_Input_fcitx、Japanese_Libreoffice、Japanese_Thunderbirdにチェックを入れます。
以上で選択処理は完了しますので、インストールボタンを押下
OKボタンを押下
OKボタンを押下
OKボタンを押下
"Y"を入力します。
エンターキー押下
OKボタンを押下します。

以上で追加アプリケーションのインストールとpre-installアプリケーションの日本語化、日本語入力環境のインストール&設定は完了です。
次にflatpak環境設定を行います。

Flatpaksタブへ移動
閉じるボタンを押下し、標準flatpak repository(flathub)を設定します
次に筆者はflatpakアプリケーションとしてkdenliveを追加インストールしますので検索ボックスにkdenliveと入力し、検索結果をインストールします
OKボタン押下
OKボタン押下でkdenliveのインストール完了です。

以上でMXパッケージインストーラを使った処理は終了です。

最後に、デフォルトフォントの変更処理を行いますが、デフォルトフォントとして使用するnoto-cjk-jp系フォントはインストールされていませんので、ターミナルを起動し、以下コマンドを投入→インストールを実行します。

→sudo apt install fonts-noto-cjk

次にXfce設定マネージャーを起動し、デフォルトフォントの変更処理を行います。

”外観”をクリック
以上で”外観”のフォント変更は終了します。

次にウィンドウマネージャーのフォント変更を行います
設定マネージャーのウィンドウマネージャーをクリック

以上でデフォルトフォントの変更は完了です。

ここで一旦再起動すると、fcitx-mozcを使用した日本語入力も可能となります。


5.他設定(オプション)

5.1 カーネル6.1のインストール

カーネル6.1をインストールをする場合は、MXパッケージインストーラーのKernelsセクションから行います。

5.2 Plank(ドック)設定

MXパッケージインストーラー等を使用してPlank(ドック)をインストールした場合は、Xfce設定マネージャを使いPlank(ドック)の影の設定変更と自動起動設定が必要です。

① Plank(ドック)の影の設定変更

設定マネージャー→ウィンドウマネージャー(詳細)にて以下のようにPlank(ドック)に影を落とさないようにします。


② Plank(ドック)の自動起動設定

これは設定マネージャーのセッションと起動から行います。

”セッションと起動”をクリック
”+追加”ボタンを押下
上記のように入力してOKボタンを押下

以上で次回login後、Plankが自動起動します。

5.3 Conky設定

Conkyはインストール直後、1枚目のワークスペースにのみ表示されるようになっています。これを全ワークスペースに表示させるためには、MXツールの中に含まれるMX Conkyを使って設定変更します。

デスクトップのチェックを”デスクトップ1"から"全てのデスクトップ"に付け替えます

以上でConkyが全ワークスペースに表示されるようになります。

6.評価

軽快性:A、安定性:A、インストール〜初期設定の平易性:A、日本語化の平易性:Aとなります。
MX各種ツール群を使い概ねコマンドレスで設定を進められる所は◎。日本語化の平易性も問題ありません。
リポジトリマネージャに関しては、MXリポジトリに加えDebianリポジトリの最適化も行えるようになっていてこれもまた◎です。
MXをい使いこなせるようになるためには、MXツールを効果的に使える事が必要です。ここさえ押さえてしまえば、MXの設定に困ることは無いものと思います。

さすがMX・・筆者イチオシのLinux distributionとなります!。



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