Linux Mint 21.1 "Vera" 〜最新版Mint Cinnamon editionを徹底検証・・Secure boot環境下でのインストール、日本語化残処理、アプレット・デスクレット・拡張機能設定等・・
今回のLinux Mint 21.1では、Nvideaドライバーの問題も解消され、Secure Boot環境下でのMintの運用も大幅に改善されています。
次にMintに対するflatpakの統合性も高まりました。”ソフトウェア”では従来からflatpakアプリケーションの管理も統合的に行えるようになっていましたが、今回アップデートマネージャーがflatpakに対応。flathubからインストールしたflatpakソフトウェアは日々自動的にアップデートできるようになっています。また”ソフトウェア”に関してもシステムパッケージとflatpakパッケージを即座に切り替えてインストールできるように改善されました。
他ISO検証ツール、Xappの改善(ログイン画面のマウスポインターのテーマとサイズ変更を可能化、Warpinatorのセキュリティ強化、WebAPPの設定項目の追加)、Cinnamon 5.6のコーナーバーによる機能強化、Nemoアイコンビューの表示方式の変更等数多くのエンハンスが含まれています。という事で早速、Linux Mint 21.1 "Vera" Cinnamon editionに関する投稿を進めていきます。
1.概要
1.1 ベース:Ubuntu 22.04.1
1.2 カーネル:5.15シリーズ
1.4 ソフトウェア管理
flatpak、Ubuntu/Mintパッケージを”ソフトウェア”、アップデートマネージャにより統合管理
1.5 日本語入力:iBus-Mozc pre-install済み
1.6 インストールメディア作成用isoファイルダウンロードサイト
合計8つの設定項目がありますが、それぞれに関しての解説は以前詳細に投稿しています(若干差異がありますが、以前の投稿記事の内容で十分です)。この設定項目の中で初期設定として必ず行うべき項目は、アップデートマネージャーとなります。Linux MintのUbuntu及びMint repositoryはデフォルトでは国外に設定されているため、これをMintのアップデートマネージャーを使用して国内サーバーへ変更し、Ubuntu、Mint respositoryよりインストールしたソフトウェアアップデート・アップグレードの処理スピードや、新規ソフトウェアのインストールにかかる時間を短縮させます。
パネルから、機能を削除するには、該当機能を選択した状態でパネル機能一覧表示の下に配置されたボタンのうち、ー を押下すると、該当機能のチェックが外れ、非アクティブとなり、パネルより削除されます。
Mintの壁紙を変えてみると、パネルが透過している事がわかります。
国内には、Mintの正式なisoファイルダウンロードサイトはありませんが、国内unofficialダウンロードサイトとして、Rikenのサイトが利用できます。
2.インストール(GPT/uefi、Secure Boot ON)
今回はSecure boot環境下でのインストール方法となります。Secure bootを使っていない場合は、若干インストール方法の内容が異なります。
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インストール先は環境依存となります。筆者の場合は、PCにSSDを2基搭載させており、Windows 11とは別のSSDに対しMintのインストールを行っています。
上記インストール完了後、再起動します。Secure Bootを使用していて、再起動すると、Mokマネージャーが起動します。Mokマネージャーが起動したら、以下流れで、処理を行います。
Enroll Mokを選択→Enterキー押下 |
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Continueを選択→Enterキー押下 |
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Yesを選択→Enterキーを押下 |
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インストール時、Configure Secure Bootの項目で指定したパスワードと同じものを入力→Enterキー押下 |
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Rebootを選択→Enterキー押下 |
以上で、インストールしたマルチメディアコーディックがSecure Boot環境下のMint上で利用可能となります。
3.初期設定
3.1 Welcomeメニューによる初期設定
Welcomeメニューによる初期設定に関しては、今ままで何度か解説していますので、ここではアップデートマネージャーの処理のみ解説します。アップデートマネージャーの処理では、repositoryの最適化、アップデート・アップグレード処理を行います。
Mokマネジャーの処理を終えて、再起動→loginすると、以下のようなWelcomeスクリーンが表示されます。
上記スクリーンショット中の"Let's go!"ボタンを押下します。すると以下Windowに遷移します。
このためにまず、上記スクリーンショットのアップデートマネージャーを起動します。
アップデートマネージャーへようこそWindowが起動しますので、Window中のOKボタンを押下します |
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アップデートマネージャー上部のメニュー直下に、”近くのローカルミラーに切り替えますか?”というメッセージが出力されますので、メッセージ右横の”はい”ボタンを押下します |
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ソフトウェアソースWindowが起動し、ミラーとして、メインとベースが表示されますので、まずメインのサーバーアドレス表示部分を押下します |
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ネット速度の早い順にメインのミラーサーバが表示されますので、最上位のサーバーを選択して、エンターキーを押下します |
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すると、メインに選択した国内サーバーが表示されます。続けて、今度はベースに表示されているサーバーアドレス部分を押下します。 |
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ネット速度の早い順にベースのミラーサーバが表示されますので、最上位のサーバーを選択して、エンターキーを押下します |
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すると、ベースに選択した国内サーバーが表示されます |
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ソフトウェアソースWindowの下部に、”設定が変更されました [OK]をクリックしてAPTキャッシュを更新します”というメッセージが表示されていますので、このメッセージ右横のOKボタンを押下します。すると新たに設定したミラーを使ってキャッシュが更新されます。 |
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キャッシュ更新が終了したら、ソフトウェアソースWindow右端上の☓印を押下し、ソフトウェアソースWindowを終了します。 |
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アップデートマネージャーWindow中の”アップデートを適用”ボタンを押下します |
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アップデート対象が一覧となって表示されますので、”アップデートをインストール”ボタンを押下します |
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以上でrepositoryの最適化、システムアップデート・アップグレードの処理は完了です。
3.2 時刻の調整(Windowsとのデュアルブート構成時のみ必要)
以上で、iBus Mozcによる日本語入力が可能となります。
これもいつもの初期設定内容ですが、Windowsとのデュアルブート構成時、Linux Mint使用後にWindowsを使用すると、Windows側の時刻に狂いが生じます。このため以下コマンドをターミナルを使って投入し、Windows側の時刻の狂いを収拾します。
→timedatectl set-local-rtc true
4.日本語化残処理
4.1 日本語入力 Method/iBus-Mozcに関して
以下流れで、iBus-Mozcによる日本語入力が可能となります。
パネルの”JA"表示箇所でマウス左ボタンクリック→”日本語-Mozc"を選択 |
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4.2 デフォルトフォントの変更(オプション)
デフォルトフォントはUbuntu系フォントのため、これで良ければデフォルトフォントの変更は必要ありませんが、筆者は、noto cjk jp系フォントに変更しています。これは、システム設定→フォントの選択 を使用して行います。
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5.基本設定
ここでは、Mintのアプレット、デスクレット、拡張機能に関して解説していきます。
5.1 アプレット
アプレットは、パネルに機能を追加・削除・設定します。アプレットによるパネルへの機能追加・削除・設定は、システム設定→アプレット から行います。
システム設定のアプレットをクリックするとパネルに対する機能追加Windowが起動します。 |
例示としてゴミ箱と天気予報をパネルに追加してみます。
アプレットをクリックすると、パネルに対する機能管理Windowが起動しますが、デフォルトでは管理タブが表示されます。管理タブでは、パネルに追加されている、あるいは既にダウンロード・インストールされていてパネルに追加可能なパネル機能一覧が表示されます。機能の左にチェックマークがついているものは、アクティブの機能、ついていないものは、非アクティブの機能となります。
パネル機能一覧を下方に向かってスクロールすると機能として非アクティブのゴミ箱があります。ゴミ箱を選択した状態にして上記システム設定Windowのパネル機能一覧表示の下に配置されたボタンのうち、+ を押下すると、ゴミ箱がアクティブとなり(チェックマークがゴミ箱の左側に付き)、パネルに表示されます。 |
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次に天気予報をパネルに追加してみます。
天気予報の機能は、ダウンロード・インストール済みとはなっていませんので、上記システム設定Windowの上部に配置されたダウンロードタブを押下しダウンロード・インストール可能な機能を表示させます。
最上位に”天気”がありますので、”天気”の右横にある"↓"ボタンを押下し、ダウンロード・インストールを実行します |
上記処理完了後、管理タブを押下し、再度、利用可能な機能一覧を表示させると、その中に、非アクティブな”天気”が表示されますので、ゴミ箱をパネルに追加したオペレーションと同様なオペレーションを行うとパネルに天気予報が表示されます。
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”天気”の設定は、パネル上の天気表示箇所上でマウス右ボタンクリックを行うとメニューが表示されますので、この中の”設定”を選択する事によって行えます。
デスクレット、拡張機能の追加・削除のオペレーションも上記パネルに機能追加・削除するオペレーションと同等です。
5.2 デスクレット
デスクレットは、デスクトップ上に機能を追加・削除します。ここではアナログ時計をデスクトップ上へ追加してみます。
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アナログ時計は、ダウンロード・インストールする必要があるため、ダウンロードダブを押下し、ダウンロード・インストール可能な機能一覧を表示させます |
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Analog Chronometerを選択し、右横にある”↓”を押下、ダウンロード・インストールを実行します |
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管理タブを押下し、Analog Chronometerを選択した状態で、+ボタンを押下します |
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デスクトップ上にアナログ時計が表示されます。管理タブに表示されているAnalog Chronometer右横の歯車アイコンを押下すると、Analog Chronometerの設定Windowが表示されますので、ここでAnalog Chronometerの表示設定を行います。設定内容は上記スクリーンショットを参考に。。 |
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5.3 拡張機能
拡張機能では、パネルの透過や、Watermarkの表示設定、タイリング等デスクトップ全体のカスタマイズが行えます。
ここでは、パネルの透過を行ってみます。
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pre-installされている拡張機能はありませんので、ダウンロードタブを押下し、ダウンロード・インストール可能な拡張機能を表示させます。この中に、Transparent panelsがありますので、この右横にある”↓”を押下し、Transparent panelsをダウンロード・インストールします |
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次に管理タブを押下すると、利用可能な非アクティブな拡張機能としてTransparent panelsが表示されますので、+ボタンを押下し、これをアクティブにします |
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以上で、パネルが透過します |
Mintの壁紙を変えてみると、パネルが透過している事がわかります。
筆者は同様なオペレーションで、他の拡張機能としてWatermarkをダウンロード・インストールし、デスクトップにMintロゴを表示させています。
6.評価
機能性:S、インストール〜日本語化残処理の平易性:A、安定性:A、軽快性:A-
といった評価となります。
古いPC等非力なマシンを使用している場合は、Cinnamon editionよりも、Xfce editionや、Mate editionを選択した方が無難ですが、フルスペックのMintを使いたい場合は、やはり、Cinnamon editionとなります。
”ウェブアプリ”(WebAPP)によるオンラインアプリケーションの使い勝手の向上、HypnotixによるインターネットTV、WarpinatorによるAndroidスマホ等とのファイル転送機能も健在。地道で継続的なエンハンスによって、さらにブラッシュアップされたLinux Mint 21.1 Cinnamon edition。筆者イチオシのUbuntuベースLinuxとなります!。
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