Ubuntu baseのLinux Mint・・Ubuntu 22.04 LTSベースとなってバージョンアップ、Linux Mint 21 "Vanessa"として登場です。Cinnamon、Xfce4、Mate各デスクトップ環境をサポートします。
Ubuntu 22.04 LTSでサポートされるsnapに関しては、Mintではデフォルト設定されません。代わりにflatpakが事前設定されます。ソフトウェア管理は”ソフトウェアマネージャー”(mintinstall)が司り、Ubuntuパッケージ、flatpakパッケージ双方を統合管理する形態となっています。
他に、Synapticもpreインストールされていますが、これが管理するのは無論Ubuntuパッケージのみ。
さて次に他Linuxには無いLinux Mintのpre-installされた特徴的な機能性に関して解説をしていきます。
まずインタネットTV:Hypnotixは継続サポート・・。国内番組も視聴可能ですが、事前登録されている番組でまっとうに映るのは限られます(ANN News、NHK World、Weather News等、日テレNews24は一見まっとうに映っているように見えますが、以前放映されたものがずっと流されている感じで役に立ちません)。筆者はANN Newsや、Weather Newsをメインに見てるのであまり問題はありませんが。。)。無論海外番組も視聴可能です。ABC News Live(U.S.)等も、かくかくせずにスムーズに映ります(配信場所やその設備に依存します)。
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Weather News(Japan) |
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ABC News Live(U.S.) |
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NASA TV Media(U.S.) |
次に”ウェブアプリ”・・いわゆるPeppermint OSのice ssb managerと同等機能を提供するソフトウェアですが、これも継続サポートされています。Peppermint teamとMint teamの共同開発の結果生まれましたので、同等機能提供は当たり前ですが、ユーザインタフェースについては"ウェブアプリ”の方がブラッシュアップ・簡略化されているため、使いやすいと思います。
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ウェブアプリ(WebAPP) |
Webアプリであるgoogleドキュメント、スプレッドシート、スライドを”ウェブアプリ”で定義すると以下のように、Webアプリケーションをあたかもローカルアプリケーションのように扱えます。Webブラウザを意識させないアプリケーションの使い勝手(ユーザーインタフェース)を提供する所に”ウェブアプリ”の強みがあり、Mint高人気の一端を担っています。
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Google slide defined by WebAPP (Google Chromeを別途インストールし利用ブラウザとして定義しています) |
Office Onlineも定義可能ですので、MintのビジネスUseの際には強力なToolとなります。
Warpinator・・いわゆるLinux Mintデスクトップとスマホとのファイル転送機能となります。このあたり、Windowsースマホ連携と比較するとまだ弱いですが、スマホで撮った写真やビデオクリップをMintデスクトップで編集するといった作業では重宝しています。
最後にいわゆるポスト・イット機能(笑)もあり、便利に利用中です。
他、Libreoffice office suite、Drawing、Pix、Celluloid、Timeshift等有益なソフトウェアが多数pre-インストールされており、使うソフトウェアにこだわりが無い場合は、ソフトウェアの追加は一般利用においてほぼ不要となっています。
さて、次に、Mint Cinnamonデスクトップだけの機能性ですが、Cinnamon 5.4.9デスクトップ、パネル等に対する機能追加は、システム設定の”アプレット”、”デスクレット”、”拡張機能”によって行えます。
アプレットが、パネルに対する機能追加、デスクレットがデスクトップに対する機能追加、拡張機能がその他の機能追加・・というように覚えておけば良いです。
操作方法としてはすべてほぼ同じで、ダウンロードダブにてお目当ての追加機能をインストール(”↓”アイコンを押下)→管理タブに移り、ダウンロードした機能を選択し、追加ボタンを押下(”+”ボタンを押下)・・で追加機能が使用可能となります。
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注意事項として”アプレット”、”デスクレット”、”拡張機能”それぞれの追加機能は動作しないものも少なくありません。例えば、拡張機能に含まれる高人気な"Tranceparent panels"・・パネルを透過する機能は、以前のバージョンのMintでは動作しましたが、Linux Mint 21では今の所動作しません。追加機能を追加する際には、動作検証を必ず行う事が必要です。また、追加機能が動作しないあるいはクラッシュする可能性がある時、当該機能を追加した際、マイナスアイコン等のメッセージアイコンが表示されますので、このようなアイコンが表示された場合は、当該追加機能は削除したほうが無難です。
と言うことで・・今回は、Linux Mintのために作られたCinnamonをデスクトップ環境として持つLinux Mint 21 Cinnamon editionに関して、投稿を進めていく事とします。
1.概要1.1 ベース:Ubuntu 22.04 LTS
1.2 サポート:2027年まで
1.3 デスクトップ環境:Cinnamon 5.4.9
1.4 カーネル:5.15シリーズ
1.5 ソフトウエア管理:mintinstall 8.1.2→Ubuntu and Flatpak パッケージ管理
1.6 日本語input method:iBus-Mozc
1.7 システム要件:Over "2GB Mem、20GB Space、XGA Monitor"
2.インストール(GPT/uefi、Secureboot Off)
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デスクトップの”Install Linux Mint"をクリック |
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注意)インストール先に関しては環境依存となりますので参考になりません。
3.初期設定
3.1 Welcome Windowによる初期設定
インストール後、再起動→loginすると以下のWelcome Windowが自動的に起動します。
以下Welcome Windowの左側選択ボックスより、”はじめに”を選択すると設定メニューが表示されます。
初期設定としてここで実施しておいた方が良いものは・・
①デスクトップの配色
②パネルのレイアウト
③システムスナップショット
④ドライバーマネージャー
⑤アップデートマネージャー
⑥ファイアウォール
となります。
③のシステムスナップショットは、Timeshiftによるバックアップ先が決まっていない場合、ここで設定を行う必要はありません。上記他、設定メニューの中にはシステム設定、ソフトウェアマネージャーがありますが、それぞれの各起動は、初期設定の中で行うものでもありませんのでここでは省いています。
①デスクトップの配色
アイコン、デスクトップテーマの配色を指定します。ここではデフォルトのGreenからBlueへ変更しています。
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②パネルのレイアウト
パネルレイアウトはデフォルトでは”モダン”になっています。好みの問題とはなりますが、変更の必要性は特にありません。
③システムスナップショット
ここはLinux Mint 21のTimeshiftによるバックアップ先を決めている場合のみ行います。決めていない場合は後で必要に応じ設定を行うという段取りとなります。
④ドライバーマネージャー
Intel系以外のハードウェアを使用している場合(例えば、他社グラフィクスボードを使用等)、これを起動し、必要なドライバーをインストールします。
⑤アップデートマネージャー
アップデートマネージャーは起動必須初期設定項目となります。
アップデートマネージャーを起動すると、ようこそWindowが起動しますが、OKボタンを押下し、アップデートマネージャーWindowを呼び出します。
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OKボタンを押下 |
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”近くのローカルミラーに切り替えますか?”と聞いてきますので、”はい”ボタンを押下します |
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メイン(vanessa)のURL表示部分をクリックします |
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ネット速度の早い順にミラーが表示されますので、最上位のものを選択し、適用ボタンを押下します
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続けて、ベース(jammy)のURL表示部分をクリックします。ネット速度の早い順にミラーが表示されますので、最上位のものを選択し、適用ボタンを押下します |
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メインとベースのミラーを選択し終えたら、ソフトウェアソースWindowの下部に、”設定が変更されました。[OK]をクリックしてAPTキャッシュを更新します”というメッセージが出ていますので、このメッセージの右横にあるOKボタンを押下します。
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キャシュ更新が行われます |
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アプデートマネージャーの”アップデートをインストール”ボタンを押下し、システムアップデートを完了させます。 |
⑥ファイアウォールファイアウォールを起動します(必要でない場合はここはスキップします)。
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3.2 時刻の調整
Windowsとのデュアルブート構成時のみ必要です。Linux Mint 21利用後、Windowsを使用すると、Windows側の時刻表示に狂いが生じます。このため、ターミナルを使用して以下コマンドを投入し、これを収拾します。
→timedatectl set-local-rtc true
4. 日本語化残処理
4.1 デフォルトフォントの変更(オプション)
デフォルトフォントとしてUbuntu系フォントが中心に定義されているため、日本語表示において大きな問題は発生しません。このためデフォルトフォントの変更はお好みによります。ちなみに、筆者は、noto-sans-cjk系フォントに全て変更しています。デフォルトフォントの変更は、”システム設定”の”フォントの選択”を実行する事で行えます。
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4.2 日本語input method:iBus-Mozcの設定
ほぼ設定は完了していますが、以下手順で利用可能にします。パネル上で”JA”と表示されている部分でマウス左ボタンクリック→表示されるメニュー中の”日本語-Mozc”を選択・・
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以上でiBus-Mozcによる日本語入力が可能となります。
4.3 言語の設定
”システム設定”→”言語”にて言語の設定(Language Support)が起動します。
言語の設定において、まず実施しておかなければならない事項は、地域、時間書式がデフォルトで、ロケール未設定となっているため、これを収拾する事です。これは以下の手順で。。
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”システムのロケール”の右横にある”システム全体に適用”ボタンを押下 |
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地域、時間書式の項目が、Japanese,Japanに変わります。これでOK |
次に”言語サポート”の右横にある”言語のインストールと削除....”ボタンを押下し、日本語サポートとして不足しているものをインストールします。手順は以下の通り。
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言語の設定Windowで、”言語のインストールと削除”ボタンを押下→言語のインストールと削除Windowに表示される一覧の中から、”Japanese,Japan”を選択し、”言語パッケージのインストール”ボタンを押下→Install_remove.py Windowにて追加インストール等する一覧表示がされるため、続行ボタンを押下 |
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以上で”言語の設定”の処理は完了です。
4.4 他設定上の注意事項
① Bluetoothイヤホンの接続に関して
以前のMintと比較すると、Mint 21ではBluetooth関連の仕組みを変えてきています。
おそらくこの影響によるものと思いますが、筆者のPC環境において、bluetoothイヤホンに関しては、接続に至るまで四苦八苦する結果となりました。仮に、一発でBluetoothイヤホン等の接続がうまく行かない場合は、”pavucontrol”の追加インストールをお勧めします。このインストール後は、楽にbluetooth接続が行えるようになります。
→sudo apt install pavucontrol
機能性:S、軽快性:A、安定性:A、初期設定〜日本語化残処理の平易性:A
となります。
流石にLinux Mint 21 Cinnamon edition・・若干注意すべき点はあるものの、完成度は非常に高く、これといった弱点も無いため、Ubuntu baseの中では、まず鉄板の1本となります。
今回Ubuntu 22.04 LTSベースとなり、表面的には目立った機能拡張は無いように見えますが、内部的に割に変えてきており、その割には使い勝手にそんなに大きな影響を与えていない所は◎です。機能性、軽快性、安定性、設定の平易性・・について非常にバランス良く、レベルもかなり高い所にあるため、実質、他のUbuntu baseを寄せ付けません。
無論筆者イチオシとなります。
注意)本稿中のスクリーンショットはLinux Mint 21 Cinnamon editionの”アプレット”、”デスクレット”、”拡張機能”を使って筆者が機能追加した結果となっており、例えばデフォルトデスクトップには、アナログ時計、天気予報、Mintロゴが配置されていない事に、注意ください。
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