Voyager 22.04.1 LTS ExplorerEdition = Gnome 42 /Xfce 4.16両デスクトップ環境搭載〜Ubuntu 22.04 LTS ベース 高機能・高カスタマイズデスクトップを設定する!・・設定難易度高です(^^;
Voyager 22.04.1 LTS-Gnome 42/Ubuntuデスクトップ |
Voyager 22.04.1 LTS-Xfce 4.16デスクトップ |
Voyager 22.04.1 LTS ExplorerEditionリリースです。高機能・高カスタマイズデスクトップ環境を有するフランス産VoyagerがUbuntu 22.04 LTSベースとなって登場。今回、今まで分かれていたGnome editionとXfe editionが一つのインストールメディアに統合されました。インストール後はXfce 4.16とGnome 42のデスクトップ環境を切り替えながら利用できます。利用するデスクトップ環境のデフォルト値として、Ubuntu(Gnome 42)デスクトップが選択されています。これをXfce 4.16デスクトップに切り替えるためには以下の手順に従います。。
① login画面でパスワード入力状態にする
② デスクトップ右下に歯車アイコンが表示されるため、これをクリック
③ Xfceセッションを選択
④ loginパスワードを入力&エンターキー押下
Ubuntuを選択すると、Ubuntu(Gnome 42)デスクトップ環境が、Xfce セッションを選択すると、Xfce 4.16デスクトップ環境が起動します。 |
設定を考えると、それぞれのデスクトップ環境は一つのisoに梱包せず個別isoとなっていたほうが簡単で、2つのデスクトップを切り替えながらうまく使えるようにするためには、設定上、割に気を使う必要があり、設定項目の中で、何が共通で、何が個別なのか・・これを押さえながら設定を進めていく必要がある・・という事となります。
デフォルトの日本語入力環境は、両デスクトップ共にibus-mozcですが、Gnome 42環境でibus-mozcを使えるようにしても、そのままでは、Xfce 4.16環境でibus-mozcは使用できません。また、Xfce 4.16環境でibus-mozcか〜・・という事で今回は、waylandに対応したfcitx5-mozcをインストール&設定します。ただし、同様に、Gnome 42環境でfcitx5-mozcを使えるようにしても、Xfce 4.16環境でそのまま使えるか・・というとこれもまたひと手間必要となります。このひと手間が極めて重要です。
今回は、Voyager 22.04 LTSのGnome 42、Xfce 4.16両デスクトップ環境を過不足なく使えるようにするための設定内容、日本語化残処理を中心に投稿を進めていきます。
1.概要
2.インストール(GPT/uefi、Secure Boot Off)
1)ベース:Ubuntu 22.04 LTS
2)デスクトップ環境:Gnome 42、Xfce 4.16(login画面にて切り替え要)
3)ドック:Gnome 42→Ubuntu Dock、Xfce 4.16→Xfceパネル
4)カーネル:5.15シリーズ
5)パッケージ管理:Ubuntuパッケージ(deb)&flatpakパッケージ&snapパッケージ
→ソフトウェアで統合管理
snapsに関してはインストール&設定が行われていないため、以下コマンドにてsnapsのインストール&設定を事前に行っておきます。
→sudo snap install hello world
6)インストールメディア作成用ISOファイル入手先
インストール手順は以下の通りです。
↓
↓
”日本語”を選択→”続ける”ボタンを押下 |
↓
”続ける”ボタンを押下 |
↓
↓
”続ける”ボタンを押下 |
↓
DISK全体を使用する場合、上記スクリーンショットのようにして、”続ける”ボタンを押下 |
↓
”インストール”ボタンを押下 |
↓
”続ける”ボタンを押下 |
↓
”続ける”ボタンを押下 |
↓
自身のID/パスワードを入力して”続ける”ボタンを押下 |
↓
↓
”今すぐ再起動する”ボタンを押下 |
注意)インストール先は環境依存となりますので参考になりません。
3.Gnome 42/Ubuntu側設定
3.1 初期設定
1) 初期設定画面による初期設定
インストール後再起動し、loginすると、Ubuntu初期設定画面が表示されます。
以下を参考に初期設定を行います。
オンラインアカウント(Google等)設定を行います。Googleカレンダーを使用している場合、Googleを選択し、Googleアカウントの設定を行えば、GnomeやVoyagerのカレンダー機能等(Agenda等)に反映されます。 |
↓
↓
バグ等が発生した場合、開発者へレポートを送信したくない場合は、”いいえ、送信しません”を選択します |
↓
↓
位置情報サービスをOnにすれば、Gnomeの天気予報等に反映されます |
↓
2)システムアップデート&不完全な言語サポートの処理
1)の処理を行っている間に以下2つのWindowがポップアップします。
”ソフトウウェアの更新”Windowでは、”今すぐインストールする”を選択・実行”ソフトウェアの更新”処理の完了後、”不完全な言語サポート”の”この操作を今すぐ実行する”を選択・実行します。
以下のWindowが表示されますので・・
”インストールボタン"を押下します。 |
↓
Windowsとのデュアルブート構成にしてある場合のみ必要です。Voyager使用後、Windowsを使用すると時刻が狂いますが、これを収拾するため、ターミナルを起動し、以下コマンドを投入します。
→timedatectl set-local-rtc true
3.2 日本語化残処理
日本語化残処理の一部は初期設定の中で完了していますので、ここではfcitx5-mozcのインストールとfcitx5設定を行います。
ターミナルを起動し、以下コマンドを投入します。
→ sudo apt install fcitx5-mozc
これも同様にターミナルに以下コマンドを投入します。
→im-config -n fcitx5
以上処理終了後、一旦再起動します(logout/loginでいけますが、初期設定でシステムアップデートを行っているため、ここで再起動します)。
再起動すると、パネルにキーボードアイコンが表示されますので、本アイコン上でマウス右ボタンクリック→表示されるメニュー中の”設定”を選択します。
↓
左側ボックスの”キーボード-英語(US)”を右側ボックスに移動→右側ボックスから”キーボード-日本語”を左側ボックスに移動→左側ボックスの”キーボード-日本語”を"Mozc"の上位に移動 |
↓
"適用"ボタンを押下 |
↓
怒られますが、Yesボタンを押下 |
以上で、logout/loginするか、fcitx5を再起動すれば、fcitx5-mozcによる日本語入力が行えるようになります。
無論、Gnome 42検索ボックスでのfcitx5-mozcによる日本語入力も問題ありません。
3.3 バックアップに関するメッセージの停止
Voyager 22.04.1 LTSではバックアップ処理が自動化されています。このため、設定中にバックアップに関するメッセージが煩いほどポップアップします。このため少なくとも初期設定、基本設定中は、一旦この自動バックアップを止めた方が無難です。
↓
↓
3.4 Tweaks&設定による外観の調整
1)Tweaksによる外観の調整例
①フォント
↓
②テーマ(カーソル、アイコン)
以下ではカーソルとアイコンをUbuntuで使用するYaruに変更しています。
↓
2)設定による色調の調整
以下では色調をブルー系に変更しています。
↓
3.5 Conky自動起動コマンドの調整
デスクトップにデフォルト表示されるConkyは以下のようになっています。
文字化けはありませんが、年・月・日・曜日の表示順が欧米風となっている点・・気にならない方はこのままでも構いません。ただし、この他、Voyagerには、多くのConkyテーマがインストールされており、その全ての年・月・日・曜日の表示順は上記のようになってしまいます。
筆者は、この中途半端な表示はNGですので、どのConkyテーマが表示されても英語表示になるようConky自動起動コマンドを調整しています。
オリジナルのConky自動起動コマンドは・・
→sh -c "sleep 5; xhost +si:localuser:root; sh -c ~/.box/Conky/DemConky.sh & xhost -si:localuser:root"
修正後のConky自動起動コマンドは・・・
→sh -c "sleep 5; xhost +si:localuser:root; LC_ALL=C sh -c ~/.box/Conky/DemConky.sh & xhost -si:localuser:root"
LC_ALL=Cを上記位置に記述すれば、Conkyは全て英語表示となり、Conky表示の際、ロケールの違いによるカラムのズレも無くなります。
具体的には以下の流れでConky自動起動コマンドを書き換えます。
Gnomeの検索ボックスにて”自動起動”を検索→検索結果で”自動起動するアプリケーション”を選択・実行 |
↓
Conky Controlを選択し、編集ボタンを押下 |
↓
上記の位置に”LC_ALL=C”を挿入→保存ボタンを押下 |
以上処理終了後、logout/loginすれば、Conkyテーマが英語表示となります。
これで、Voyager 22.04.1 LTS Gnome 42/Ubuntu側設定は完了です。
次に一旦logoutし、冒頭で解説した手順に従い、Xfce 4.16デスクトップに切り替え、Xfce 4.16デスクトップの設定に移ります。
4.Xfce 4.16側設定
Xfce 4.16デスクトップを起動すると、以下のようなデスクトップが表示されます。
Gnome 42/Ubuntuデスクトップで設定した基本的な箇所は概ね引き継がれています。まず、デフォルトの日本語input methodはfcitx5(fcitx5-mozc)が選択されており、Conky自動起動コマンドの調整結果も無論引き継がれています。言語サポートで足りないものもありません。
したがって、Xfce 4.16デスクトップで調整が必要な項目はテーマ変更や、フォント変更、ドックの中身の調整のみ・・のように見えます。
ところが、キーボード設定が何故か強制的に”英語”となっています。これを変えないと、日本語キーボードで、fcitx5-mozcもろくに利用できません。このため、初期設定としてまず、キーボード設定調整を行います。キーボード設定にはいくつかの方法がありますが、4.1 キーボード設定調整 の手順に沿って行って下さい(他のやり方だと、結果的にNGとなります)。
4.1 キーボード設定調整
Xfceパネルにアメリカ国旗アイコンがありますので、この上で、マウス右ボタンクリック→表示されるメニュー中の”キーボード設定”を選択します。
↓
キーボードレイアウトとして”英語(US)”を残し、他を全て削除します(英語(US)以外の言語を一つづつ選択→削除ボタンを押下)。 |
↓
追加ボタンを押下 |
↓
日本語を選択→OKボタンを押下 |
↓
日本語を英語(US)の上位に移動 |
↓
以上で、キーボードレイアウトが日本語に変わります。この処理は必ず行ってください(最重要)。
4.2 パネル時計表示調整
パネル上の時計表示は以下のようになっています。
これを適正な日本語表示にします。上記表示の上でマウス右ボタンクリック→”プロパティ”を選択
↓
上記状態を以下のように修正します(これは参考例です)。↓
地域(N):の右端に変更ボタンがあるため、これをクリックします |
↓
天気予報を表示させたい地域を入力して検索ボタンを押下します。ここではhachiojiと入れています。候補が表示されますので、この中から天気予報を表示させたい地域を選択します。 |
↓
↓
↓
上記設定が終わると、指定した地域の天気予報表示がされるようになります。
(天気予報アイコンを押下すれば、5日間天気予報が表示されます)。
4.4 設定マネージャーによる外観調整
設定マネージャー→”外観”を選択/実行します。
”外観”を選択/実行 |
1)アイコンの変更
↓
2)フォントの変更
↓
3)スタイルの変更
↓
以上でXfce 4.16側設定は完了です。
Xfce 4.16デスクトップ側でも、fcitx5-mozcによる日本語入力が問題なく行えます。
重要なのは、”4.1 キーボード設定調整”となりますので、要注意です。
Voyager 22.04.1 LTSに関しては、VoyagerのキモとなるBox Voyagerに関してもエンハンスがあり、これらもあわせて投稿したかった所ですが、既にかなり長くなりましたので、今回はここまでとします。
5.評価
1)Gnome 42/Ubuntuデスクトップ
機能性:S、安定性:A、軽快性:B+、インストール〜日本語化残処理の平易性:B
2)Xfce 4.16デスクトップ
機能性:A+、安定性:A、軽快性:A、初期設定の平易性:C
となります。各デスクトップの機能性の評価の違いは、Box Voyagerの機能性の違いによる所が大きいですが(Gnome 42/Ubuntuデスクトップの方が機能は多い)、ベースラインGnome 42 v.s. Xfce 4.16でも、機能性は圧倒的にGnome 42に軍配が上がります。
軽快性評価は、やっぱり、Xfce 4.16デスクトップの圧勝。非力なPCを使っている場合は、Xfce 4.16デスクトップの使用を強く推奨します。
初期設定評価で、Xfce 4.16デスクトップの評価がいまいちなのは、適正なキーボード設定をどこで行えばよいのか及びその手順がわからないと結構どつぼるため。
最後に、両デスクトップ共通の問題ですが一部翻訳し切れず、フランス語が残っている所がマイナスポイントとなります。一例としては、Xfce 4.16 Whiskerメニューの以下の箇所等。
他にもいくつかフランス語が残っているのが残念です。
Gnome 42/Ubuntuデスクトップ、Xfce 4.16デスクトップ双方共に、非常に高機能であり、Ubuntu系Distributionの中では突出している感があります。ただし、Gnome 42/UbuntuデスクトップとXfce 4.16デスクトップ双方を一つのインストールメディアに梱包し、インストール後、双方のデスクトップを切り替えて使えるようにしたのは、設定の難易度、作業の効率性、SSD容量の面等から疑問に感じています。一般的に2つのデスクトップを切り替えながら使用するという事は効率的ではなく、結果的に一つのデスクトップのみを使用する事が一般的だと思うのですが(^^;。。
また、全体的に見て翻訳等もう少し調整が必要な感が強く。ここは、今後のレビジョンアップに期待したい所です。
今後、機会があれば、Voyager 22.04.1 LTS ExplorerEditionの機能解説を行おうかなと考えています。ここが最もVoyagerの強みとなる所ですので。。
Voyager 22.04.1 LTS-Xfce 4.16デスクトップ |
Voyager 22.04.1 LTS-Gnome 42/Ubuntuデスクトップ |
コメント
コメントを投稿