Linux Mint 20.2 "Uma"リリース!・・今回は、Linux Mint 20.2 "Uma" Xfce editionの徹底カスタマイズ編です。Xfce editionを取り上げたのは久々&徹底カスタマイズ編もご無沙汰でしたが、結構新機能が増えましたので、今回投稿する事にしました。
さてリリースされたばっかりのLinux Mint 20.2 "Uma"ですが、主な機能拡張は以下の通りとなっています・・・。
・メモの管理が便利なSticky Notes
・アップデートマネージャによるflatpak 自動アップデート設定が可能に・・
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・アップデートマネージャnotificationの細かい設定が可能に・・
・Warpinatorを使用してandroid〜Linux Mint間のファイル転送が可能に・・
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上記は、googleスマホ Pixel 4aを使用してPixel 4aで撮影した写真をLinux Mint 20.2 Xfce editionへ転送した結果です。Pixel 4aにWarpinatorをインストールする必要があります。これはMint側の機能拡張と言うよりは、android側でWarpinatorアプリがavailableになったって事です。
他にWarpinatorはインタフェースを選択・ファイル転送できるようになっています。
・きれいな壁紙の拡充
等。。他、様々な改善が行われています。
という事で早速、Linux Mint 20.2 Xfce edition徹底カスタマイズ編につき投稿を進めていきます。徹底カスタマイズの内容としては、外観は、冒頭のスクリーンショット(デスクトップ下部にドックとしてplankを配置、パネルは上部に移動させ、透過)の体裁で、”ウェブアプリ”により、office onlineのWord、Excel、PowerPointを設定します。
1.概要
1) ベース:Ubuntu 20.04.2 LTS
2)デスクトップ環境:Xfce 4.16
3)ソフトウェア管理:ソフトウェアマネージャーによるDeb & Flatpakパッケージの統合管理
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4)カーネル:5.4.0-77-generic
meltdown/spectre HW脆弱性緩和策対応度は・・
2.インストール(GPT/uefi)
Linux Mint 20.2 Xfce editionのインストール用ISOファイルをUSB等に焼き、ブートします。
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尚インストール先は環境依存となりますので参考になりません。
2.初期設定
2.1 ”Welcome”による初期設定
インストール→再起動→Login後、"Welcome"が起動しますので、ここで初期設定を完了します。
”はじめに”タブを選択 |
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上記設定項目を上から順番にすすめて行きます。1)デスクトップの配色
再起動します。
以上で、flatpakのバージョンが、"1.6.5"から"1.11.2"へ上がります。
デフォルトの配色は、Mintの色・・緑となっていますので、これが嫌な場合は他の色を選択し、配色を変更します。ここでは青色系に変更します。
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2)システムスナップショット
ここでは、必要に応じてTimeshiftを使用したスナップショット設定(バックアップ設定)を行います。
3)ドライバーマネージャー
ここでは、特殊なハードウェアを使用している場合に必要となるドライバーのインストールを行います。インテル系ハードウェアのみを使用している場合は一般的に処理不要です。
4)アップデートマネージャー
ここでは、repositoryの最適化(ソフトウエアのインストール等の高速化)及びシステムアップデート・アップグレードを行います。
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メイン(uma)のURLの箇所をクリックし、最速のrepositoryを選択します。 |
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同様にベース(focal)のURLの箇所をクリックし、最速のrepositoryを選択した後、"[OK]をクリックしてAPTキャッシュを更新します”と言うメッセージが出ますので、OKボタンを押下します。 |
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ソフトウェアソースWindowを閉じます。 |
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”アップデートをインストール”ボタンを押下 |
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5)システム設定
再起動→login後、再びWelcome windowが起動しますので、続けて、システム設定を行います。
① ”外観”の設定→デフォルトフォントの変更
noto cjk jp系フォントに変更します。
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② ”ウインドウマネージャー(詳細)”の設定→影の調整、マウスホイールによる仮想デスクトップの変更
・Plank表示時の不要な影を消去
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・マウスホイールによる仮想デスクトップの切り替え
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③ ”デスクトップ”の設定→デスクトップ上のアイコンの非表示
Plankをインストール&利用するため、デスクトップアイコンを非表示にします。
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6)ソフトウェアマネージャー
ソフトウェアマネージャーを起動します。ここでは使用しませんので、飛ばします。
7)ファイアウォール
ファイアウォールを必要に応じて設定し、enableにします。 enableにするには、以下”Status:"の右側ボタンを右側にスライドさせます。
以上で、Welcome windowによる初期設定は終了です。
2.2 時刻の調整
まずネット上のタイムサーバーとの同期を行います。
ターミナルを起動し、以下コマンドを投入。。
→sudo apt install systemd-timesyncd
上記で(Y/n)を聞かれている箇所はYを入力 |
これでタイムサーバーとMintの時刻が同期されます。
次に、Windowsとのデュアルブート構成の際は、Mint使用後、Windowsを利用すると、Windows側の時刻が狂います。このため、この構成を撮っている場合は、ターミナルを起動し、以下コマンドを投入して、狂いを収拾します。
→timedatectl set-local-rtc true
2.3 flatpakの最新化
PPA定義を行って、flatpakをアップデートし、最新化します。
ターミナルを起動し、以下コマンドを投入し、flatpakのPPA定義を行います。。
→sudo add-apt-repository ppa:alexlarsson/flatpak
次に、flatpakのアップデートを行います。これはターミナルに以下コマンドを投入。。
→sudo apt update && sudo apt upgrade
上記で(Y/n)と聞かれている箇所はYを入力 |
これで初期設定は終了・・fcitx-mozcによる日本語入力も問題無し・・。
3.日本語化残処理
パネルの設定→”背景”のスタイルを”単一色”に変更した後、”配色(O)"の右側にある色がついた箇所(上記では黒)をクリックし、”パネル色の選択” windowを表示させます。ここでパネルの色を選択します。上記、”パネル色の選択”windowの下部に青枠の箇所がありますが、ここで、選択した色の透過度を調整できるようになっています。ここで透過度を調整すると、透過が効かなかったり、パネル表示が崩れる事がありますので、この場合はlogout/loginで復旧します。
必要に応じて、アプリケーションのデフォルトフォントの変更を行います。ここではnoto cjk jp系フォントへ変更します。この場合、Libreofficeでは必要ありませんが、Firefox、Thunderbirdでは作業が必要です。
以下を参考に・・。
・Firefox
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・Thunderbird
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4.基本設定
4.1 パネル
① パネルの移動
パネルの移動方法は以下の通り。
ここでは、パネルをデスクトップ上部に移動します。
パネル上でマウス右ボタンクリック→表示されるメニュで、パネル→パネルの設定を順次選択します。 |
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”パネルをロックする”のチェックを外します。 |
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パネルの左端をドラッグして、デスクトップ上部へ移動します。 |
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”パネルをロックする”に再度チェックを入れます。 |
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② パネルの色選択と透過設定
意外にこれは方法を知らないと出来ません。
③ パネルアイテムの追加と位置変更
”パネルの設定”→アイテムタブ→追加したいパネルアイテムを選択→追加ボタンを押下すればパネルにパネルアイテムを追加できます。
パネルアイテムの位置の変更は、追加されたパネルアイテムを選択し、以下赤枠の上下それぞれの矢印を押下する事によって行えます(上矢印を押下すれば、パネルアイテムはパネルの左方向へ移動、下矢印を押下すれば、右方向へ移動します)。
4.3 Plankのインストールと基本設定
今回はドックとしてPlankをデスクトップ下部に配置します。ここではPlankのインストール、設定、テーマの変更等に関し投稿します。
① Plankのインストール
ターミナルを起動し、以下コマンドを投入。。
→sudo apt install plank
以上でPlankのインストールは完了です。
この後、アプリケーションメニューからPlankを検索してクリックすればPlankがデスクトップ下部に表示されます。
② Plank:アプリケーションの登録と削除
削除は簡単です。Plank上のアプリケーションアイコンをドラッグしデスクトップ上にドロップする事でPlankからアプリケーションが削除されます。
アプリケーションの登録は、アプリケーションメニューからアプリケーションアイコンをドラッグし、Plank上でドロップするだけです。
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③ Plankへのゴミ箱の追加
Plankに対し、ゴミ箱を追加できますが、これは、Plankの設定Windowを開く必要があります。Plank上でCtrl+マウス右ボタンクリックするとPlankのメニューが表示されますので、その中の”設定”を選択します。
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”ドックレット”タブを選択 |
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"Trash"をドラッグし、Plank上でドロップします。 |
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以上で、ゴミ箱をPlank上に追加できます。
④ Plankの自動起動設定
これはXfce設定マネージャ→セッションと起動→”自動アプリケーション"タブから行います。
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Window左下角の+ボタンを押下 |
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上記のように入力し、OKボタンを押下します。 |
以上でPlankの自動起動設定は完了です。次回login後もPlankが自動起動し、デスクトップ下部に表示されます。
④ Plankのテーマ変更
④−1 Plankテーマの取得と配置
Plankのテーマは、https://www.gnome-look.org/から取得出来ます。
ここでは、今人気のmcOS BS for PLANK DOCKをダウンロードし使用してみます。
ダウンロード元は、https://www.gnome-look.org/p/1399398/ です。
上記Firefoxの表示域を下へスライドさせるとFilesタブがありますので、これを選択し、ダウンロードできるテーマ一覧を表示させます。この中に、”mcOS-BS-iMacM1-THEME-PACK.zip"がありますので、これをクリックしてダウンロードします。
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ダウンロードしたテーマを解凍して、ホームディレクトリ直下の .local/share/plank/themes/ 配下に置きます。
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④−2 Plankテーマの変更
一旦Plankを終了させ、Plankを再起動→Plankの設定Windowを起動すると、Plankの設定Windowの”テーマ”から、ダウンロードしたテーマに変更可能となります。
Plank上でCtrl+マウス右ボタンクリック→表示されるメニュー中の終了を選択し、Plankを一旦終了した後、アプリケーションメニューからPlankを再度起動 |
Plnak上で、Ctrl+マウス右ボタンクリック→表示されるメニュー中の”設定”を選択→起動されたPlank設定Windowの”テーマ”からダウンロードしたテーマを選択すれば、Plankに適用されます。 |
以上で壁紙を変更するとこんな感じのデスクトップが出来上がります。
4.4 ”ウェブアプリ”の基本設定
いわゆるpeppermint OSのice ssb managerの改良版です。
これによってオンラインアプリケーションをあたかもローカルアプリケーションのように取り扱う事が可能となります。Linux Mint Teamとpeppermint teamが協力して開発、Linux Mintにpre-installされています。ここではこの基本的な使い方をoffice onlineの設定を通じて解説していきます。
”ウェブアプリ”をメニューから初めて起動すると、”ウェブアプリ”Windowが表示されますので、以下のように+ボタンを押下し、定義を開始します。以下はMS Word Onlineの設定手順です。
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アイコンが表示されている箇所を押下 |
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アイコンの選択Windowが表示されるため、検索BoxにWordと入れて検索→MS Wordのアイコンを選択 |
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OKボタンを押下し、定義終了 |
ちなみに、”アドレス”の箇所に入力するWord、Excel、PowerPoint onlineの各サービスアドレスは以下の通りです。
MS Word Online: https://office.live.com/start/Word.aspx
MS Excel Online: https://office.live.com/start/Excel.aspx
MS Powerpoint Online : https://office.live.com/start/PowerPoint.aspx
またアイコンの選択Windowの検索Boxにexcel、powerpointと入力すれば、それぞれに該当するアプリケーションアイコンを選択できます。
”カテゴリ”を”オフィス”として、上記、MS Word Online、Excel Online、PowerPoint Online定義をウェブアプリで行うと、アプリケーションメニューのオフィスカテゴリの中に全て配置される事となります(以下赤枠の通り)。
筆者の場合は、Microsoft 365を使用しておりセキュリティ向上のため、MSアプリによる2段階認証を行っていますが、問題なく起動できます(最初の2段階認証は必要ですが、その際のオプションチェックによって以降は本定義ブラウザを使用するに限って2段階認証を通さなくてもよいようにしています。)。
5.他注意事項
1)Firefoxの検索エンジン
Firefoxの検索エンジンについて初期状態ではDuckDuckGoが設定されています。google検索エンジンを使用した場合は、検索エンジンの変更を行う必要があります。
2)Chromiumのインストールと検索エンジン
repositoryからインストール可能なChromiumは、検索エンジンにDuckDuckGoが定義されており、Google検索エンジンに変更できません(インストール可能な全てのChromiumタイプを試したわけではなく、ソフトウェアマネージャーにて検索後最上位に表示されるChromiumのみを検証しています)。
flatpakからChromiumをインストールすれば、この問題はなくなりますが、pre-installされるflatpakはバージョンが古いため、Chromiumのインストールはできません。このため、flatpakからChromiumをインストールする場合は、初期設定の箇所で解説したflatpakの最新化を事前に行う必要があります。
6.評価
機能性:S、軽快性:A、安定性:A、インストール〜日本語化残処理の平易性:A
となります。評価結果としては、今回のリリースによる機能強化項目も含めて申し分無しといったところです。特に”ウェブアプリ”により、MS Office系等を使用するような業務にも十分対応可能な所も◎。
無論、筆者一押し、おすすめの一本となります。
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