Enso OS 0.4 〜スタイリッシュ&軽快&高機能 Enso OSがUbuntu 20.04.1 LTS ベースとなってバージョンアップ!・・さてその出来は??





久々にリリースアップし、Ubuntu 20.04.1 LTSベースとなったスタイリッシュなEnso OS。。Windows managerとしてgalaを採用しているためelementaryぽく見えますが、デスクトップ環境はPantheonではなくXfce4・・という変わり種なのは変わらず。

マルチタスクビューを使ってアプリケーションの仮想デスクトップ間移動等の機能性や、Windows効果が塩梅よく適用されているキレイなデスクトップは俊逸です。また設定マネージャの設定項目についても、標準のXfce設定マネージャーとは異なる箇所がままあり、Xfce4をかなりカスタマイズして、このデスクトップ環境を実現しています。

ただし、Xfce4パネルに標準装備されるEnso独自のパネルアイテムの動きがかなり微妙である点、インストール直後の環境では、やはりキーマップがおかしい点等があり、品質や安定性の面でやや難ありの状況となっています。

今回は、window managerとしてgalaを採用したスタイリッシュなEnso OS 0.4に関して、インストール→初期設定→基本設定内容、及び、Ensoを安定的に利用するための若干のカスタマイズに関しても投稿していきます。

1.概要

1)ベース:Ubuntu 20.04.1 LTS

2)デスクトップ環境:Xfce 4.14/Gala

3)カーネル:5.4.0-48-generic
meltdown/spectre等HW脆弱性緩和策適用度は・・

まず問題の無いレベルとなっています。

2.インストール(GPT/uefiケース)

尚、本体及びブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。

2.初期設定

1)システムアップデート・アップグレード

インストール→再起動→login後に以下WIndowが起動しますので”今すぐインストール”ボタンを押下し、システムアップデート・アップグレードを実行します。尚、日本語指定でインストールすればUbuntu repositoryは国内サーバーにセットされますので、repositoryの最適化処理は必要ありません。


一旦、ここで再起動します。

また、上記Windowとほぼ同時にenso-welcomeが起動しますが・・

初期設定で使用するのは、事項で説明するキーマップの狂いを収拾するために"Change System Settings"のみとなります。"Change System Settings"の箇所を押下すると、Xfce4設定マネージャが起動しますので、別にこれを使ってXfce4設定マネージャを起動する必要もありませんが。。。尚、このenso-welcomeをstartupから外す処理は、上記インタフェースからは行なえません。Xfce4設定マネージャ→セッションと起動→自動アプリケーションタグより、enso-welcomeのチェックを外す(=自動起動対象から外す)必要があります。

2)キーマップの狂いの収拾

Enso OSは、インストール時に日本語キーボード指定を行っても、初期状態で、英語キーボード指定状態で起動します。

前回Enso OSの記事投稿時には、真面目にキーボード設定をし直しましたが、概ねconfig上では日本語キーボードが使える状態となっていたため、今回はこの方法を使いません。

Xfce4設定マネージャを起動し、"Keyboard"を選択します。


Japaneseになっている事を確認し、これを終了します。以上で、キーマップの狂いは収拾されます(これで収拾されない場合、一旦再起動します)。

なんだろうな・・という処理内容ですが、以上で、日本語キーボードが認識され、以降も日本語キーボード設定状態が継続します。また、上記処理を行うと、日本語入力切り替えキーとして、半角/全角キーも利用可能となります。


3)時刻の調整(WindowsとのDual Boot時のみ必要)

Enso OS使用後にWindowsを利用するとWindows側の時刻がずれますので、Enso OS側でターミナルより以下コマンドを投入し、これを収拾します。

→ sudo timedatectl set-local-rtc true


他、 タイムサーバーとの時刻同期処理に関してですが、Ubuntu 20.04 LTS系では、ntpdではなく、timesyncdを使用する点に注意が必要です。


以上で初期設定は完了です。日本語化残処理も必要ありません。


3.基本設定

1)デフォルトフォントの変更(オプション)

これはXfce4設定マネージャ→外観→フォントタグより行います。

筆者は以下の設定内容にしています。


2)必要なアプリケーションのインストール

Enso OS 0.4は実用的なpre-installアプリがほとんど入っていません。Libreoffice、Thunderbird等は別途インストールする必要があります。

Enso OSのソフトウエアインストールはAppHiveを使用しますが・・

割に動きが遅いのと、日本語化パッケージのインストールの問題がある点、及び、より新しいものを使用したいという事もあり、筆者はflatpakを使って主要アプリケーションのインストールを行っています。またAppHiveだけだと不便なのでsynapticのインストールも合わせて行っています。

以下、全てターミナルを起動しコマンドを投入する処理となります。


① flatpak、synapticのインストール

→sudo apt install flatpak synaptic

(ppaを使って最新のflatpakをインストールできますが、現在のところ、あまり困っていませんので、ppaは使用していません)



② flathubの設定

以下コマンドを順次投入します。

flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo

flatpak remote-add flathub-beta https://flathub.org/beta-repo/flathub-beta.flatpakrepo
flatpak update --appstream

上記処理終了後、一旦logout/loginします。

(2行目は、Thunderbird 最新版を入手するためのベータflathub設定となります)



③ flatpakによるLibreoffice、Thunderbird、GIMPのインストール


・Libreoffice

→ flatpak install libreoffice


以上で、Libreoffice 7.0.1.2(日本語化済み)がインストールされます。


・Thunderbird(これだけflathub-betaを使用します)

flatpak install flathub-beta org.mozilla.Thunderbird//beta 


以上で、Thunderbird 78.3.1(現時点での最新版/日本語化済み)がインストールされます。



・GIMP

→flatpak install gimp


以上でGIMP 2.10.20(日本語化済み)がインストールされます。


これで、基本設定は終了です。


4.Enso OS 0.4を安定稼働させるために・・

Enso OS 0.4のパネル上に事前設定されるEnso独自のパネルアイテム(AppMenu Plugin)は正常動作しない事が多く、落ちる事もままあり、Ensoを使っていると気になって落ち着きません。


AppMenu Pluginはパネル上以下のような表示がされます。

アプリケーションを起動すると、このpluginがうまく機能すれば、上記表示箇所が、そのアプリケーションメニューに変化するんですが・・(^_^;)。。これが結構まっとうに動かないという・・。

このため、筆者は、対策として、AppMenu Pluginをdisableにし、代わりにXfce4 Whisker menuを導入、他、Enso Datetime Pluginも日本語の日時表示に対応していないため、これもXfce4のパネルアイテム”時計”に戻しています。

具体的には以下のようなパネル構成に変更しています(パネルアイテムとしてランチャーや、最新の天気が追加されていますが、ここはとりあえず無視してください。またWhisker menuは、インストールされていませんのでインストールが必要です
→sudo apt install xfce4-whiskermenu-plugin)


注意が必要なのはセパレーターの設定箇所で、ここは必ず、スタイルを”透明”にし、”拡張する”にチェックを入れる事が必要です。”拡張する”にチェックを入れなかった場合は、全てのXfce4パネルアイテムが、パネル上、左寄せの状態となります。また、スタイルを透明にしなかった場合、拡張されたセパレータの中央に縦棒が表示され不格好になります。


他のパネルアイテムやWhisker menuの設定に関しては、今まで投稿してきていますので、割愛します。

とりあえず、これでAppMenu Pluginによる妙な挙動や、AppMenu Pluginが落ちるといった現象がなくなりますので、安定感が増すデスクトップとなります。きちんとAppMenu pluginが動作すれば問題ないんですが・・苦肉の策ですね。。また、Window managerとしてGalaが使用されている関係上、Xfce4パネルアイテム:ワークスペーススイッチャーは動作しませんので注意ください。

5.評価

軽快性A+、美しさ:S、機能性:A、安定性:B-、インストール〜基本設定の平易性:B- 

となります。日本語化残処理に関しては、ほとんど必要無い点は◎ですが、キーボードの問題があるため、辛口の評価となっています。また安定性の箇所は、AppMenu Pluginの出来が良くないため、Cとすべき所、ここは甘めのB-としています。

軽快性に関しては、login直後のメモリー使用量が、484MBと500MBを切ってくる事から、OSの機能性から考えるとA+という評価となります。


Xfce4 + Galaという面白い環境となっていますが、正直に言えば、今の出来では、GalaはPantheonとの組み合わせがベストです。AppMenu Pluginの品質が上がれば、この評価も変わってくるかもしれません。

設定に関しては、Xfce4設定マネージャの”個人設定”の中身がEnso独自であり、パネル設定もここから行えるようになっている等、普通のXfce4とは設定内容がかなり異なっています。

触れば概ねわかりますが、注意が必要な箇所です。

AppMenu pluginを使わないように変更したあとは、安定稼働していますが、この環境だとEnsoの本来の実力が出ているわけでは無いと思います。今後に期待と言った所でしょうか・・。

尚、冒頭、末尾のデスクトップスクリーンショットは、アイコンやGTK Themeを変え、Planの位置や、そのテーマも変更していますので、オリジナルとは異なる点に注意ください。

また、Enso OS 0.4も、1時間毎にIPv4が切れる現象が発生していますので、本ブログ記事の通り、応急措置を施しています。
https://www.linux-setting.tokyo/2020/09/ubuntu-2004-ltsubuntu-2004-ltsipv4.html



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