さて、LMDE4の大きなエンハンス項目としては、無論Debian 10 "Buster"をベースとした事。デスクトップ環境のCinnamonも最新を載せてきています。
また、NVIDIA GPUを持つマシンに対してそのままインストール、インストール後環境でもNVIDIA環境をサポートできるよう、インストールメディアブート時に表示される選択メニューに対して”NVIDIA GPUドライバーを伴ったブート実行”を追加しています。
さらにホームディレクトリの暗号化の機能等もあり・・。。
相変わらずインストール後の、日本語入力環境設定を含む日本語化残処理は、UbuntuベースのMintとは異なり、結構、煩雑(^^;(ただしコマンドレスですが)。本投稿箇所は本ブログでも投稿したLMDE3の設定内容と比較すると大幅に変わっていますので設定順番等設定内容をわかりやすく整理して投稿していく事にします。
1.概要
1)ベース:Debian 10.3 "Buster" Stable
2)デスクトップ環境:Cinnamon 4.4.8
3)カーネル:4.19.0-8-amd64
meltdown/spectre等脆弱性緩和策適用度は・・
サマリーのみのスクリーンショットですが問題の無いレベルです。
2.インストール(GPT/uefiケース)
1)インストールメディアブート時選択メニュー
一般的には、最上位のメニュー項目を選択。NVIDIAを搭載するマシンでは3番目の"Start LMDE 4 Cinnamon 64-bit (NVIDIA driver)"を選択。
以上でブートします。
2)インストールプロセス
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本体及びブートローダーのインストール先は環境依存のため参考になりません。3.初期設定
1)repositoryの最適化
インストール→再起動→login直後に表示されるMintのWelcome screenによる初期設定の前にrepositoryの最適化を行ってしまいます。システム管理→ソフトウェアソースから・・
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"メイン"のrepository選択(最もネットスピードが早いものを選択) |
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OKボタン押下でキャッシュ更新実行 |
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"ベース”のrepository選択(筆者は山形大を選択→一般的には最上位を選択し て良いですが筆者はここが使い慣れているため) |
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OKボタン押下でキャッシュ更新を実行 |
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以上でrepositoryの最適化は終了です。これでアップデート&インストール時のダウンロードスピードが格段に上がります。 2)Welcome screenを使った初期設定
さて、次はWelcome screenを使った初期設定に移ります。これはWelcome screen→”はじめに”タグから。。
LMDE 3では、Welcome Screenは、日本語化されていませんでしたが、LMDE 4になって日本語化されています。
それぞれの処理を以下に簡単に説明します。。
①システムスナップショット
Timeshiftによるバックアップ機能設定を行います。
バックアップにはフルバックアップ、差分バックアップ等がありますが、スナップショットは、ある時点の”状態”を切り出してバックアップとして保管する手法です(故にスナップショットという名前になっています)。
一般的に、バックアップ・リストアにかかる時間はフルバックアップ、差分バックアップと比較して大幅に短縮できます。
②マルチメディアコーデック
Linux MintのMultimedia Codecsのインストールを行います。
③アップデートマネージャー
初期設定上必要なシステムアップデート/アップグレードを行います。
④デスクトップレイアウト
”トラディショナル”、”モダン”の2種からレイアウトを選択します。デフォルトは”モダン”になっていますので、ここは特段触る必要はありません。
⑤システム設定
⑥ソフトウエアマネージャー
”ソフトウエアの管理”を起動します。ソフトウエアの追加インストールが必要な場合に使用します。
⑦ファイアーウォール
ファイアーウォールの設定・起動を行います。
この箇所で必ず行うべき処理は、③のアップデートマネージャによるシステムアップデート・アップグレードとなりますが、②のマルチメディアコーデックのインストールが必要な方はここで実施します。
・マルチメディアコーデック:マルチメディアコーデックのインストール(オプション)
マルチメディアコーデック欄の”起動する”ボタン押下でインストールできます。
・アップデートマネージャー:システムアップデート/アップグレード(必須)
アップデートマネージャー欄の”起動する”ボタンを押下します。
"OK"ボタンを押下 |
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"アップデートをインストール"ボタンを押下 |
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以上でシステムアップデート・アップグレード処理が完了します。他の初期設定項目はオプションです。設定したほうが良い項目は、①システムスナップショット、⑦ファイアーウォールですが、これらはマシン環境に依存する事もありここでは割愛します。
4.日本語化残処理
1)日本語input methodを除く日本語化ファイルセット不足分のインストール
これはパネルに通知がきますので、この通知アイコンをクリックするか、アプリケーションメニューのシステム管理→システムレポート・・から行います。ここではメニューからシステムレポートを起動するやり方で。。
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パネルに通知が来た際、パネル上にアイコンが表示されますが(上記例では三角形の中にビックリマークみたいなアイコンです)、このアイコンを押下してもシステムレポートが起動しますので、上記インストールの流れは同じです。
システムレポートが、Ubuntu系でいうlanguage support機能の一部を担っていると考えれば良いという事です。 例えば、LMDE 4ではGIMPをpre-installから外しましたが、GIMPを追加インストールした場合、language supportとして不足している日本語helpファイルのインストールがシステムレポートから促され、パネル上にアイコン表示されるような仕組みとなっています。無論、GIMPインストール後に直接システムレポートを起動してもかまいません。
2)日本語環境変数の設定不備の収拾
デフォルトでは、Region、Time formatにロケールが設定されていません。これは、アプリケーションメニューの"設定"→"言語"で起動する"言語の設定"から、システムロケールの右横にある”システム全体に適用”ボタンを押下する事で収拾できます。
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"システム全体に適用"ボタンを押下 |
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3)日本語input methodのインストール
LMDE 4もLMDE 3と同様、インストール直後に、日本語入力はできません。
このため、日本語input methodのインストールが必要になります。
これはアプリケーションメニューの"設定”→”入力方法”から。。
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”日本語”タグを選択 |
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"以下の言語サポートパッケージをインストールしてください" の右横にある”インストール”ボタンを押下 |
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"Continue"ボタンを押下 |
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入力方式フレームワーク選択欄にFcitxとMozcが追加されます。 ここではFcitxを選択 |
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以上で再起動すれば、fcitx-mozcによる日本語入力が可能となります(一般的にはlogout/loginでOKですが、この前の初期設定の中でシステムアップデート/アップグレードを行っていますので念のためここで再起動しています)。上記スクリーンショットには追加で必要な設定内容が書かれていますが、追加設定の必要はありません。
以上で、日本語化残処理は完了です。
5.基本設定
1)デフォルトフォントの変更(オプション)
筆者はデフォルトフォントを全てnoto sans cjk系フォントに変更しています。これは以下を参考に。。
①システムフォントの変更
①-1 アプリケーションメニュー→設定→システム設定→フォントの選択から。。
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①-2 アプリケーションメニュー→設定→Qt5 Settings→"Fonts" tagから。。
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"適用"ボタンを押下 |
これは、各アプリケーションの設定メニューから行います。以下を参考に。。
②-1 Firefox
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②-2 Libreoffice Writer
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②-3 Thunderbird
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2)ターミナルのサイズ、配色の変更(オプション)
ここもオプションです。ターミナルサイズと配色がいまいちなので筆者は変更しています。ターミナルメニューの"編集"→Preferencesから。。以下を参考に。。
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3)Windowsとのデュアルブート時、Linux使用後、Windowsの時刻がずれる対処(オプション)
これは今まで何回か投稿してきていますが、Windowsとデュアルブートしている際、LMDE 4 使用後にWindowsの時刻がずれる現象を収拾します。
これを実現するためには以下コマンドをターミナルに投入。。
sudo timedatectl set-local-rtc true
無論上記処理はWIndowsとデュアルブートしている時にのみ必須となります。
4)Firefox検索エンジンの変更(オプション)
Linux Mintでは、Firefoxのデフォルト検索エンジンをDuckDuckGoに設定しています。
これをGoogleに変更する場合は以下の手順で。
Firefox設定画面→"検索"タグから。。
”他の検索エンジンを追加”箇所を押下 |
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Googleアイコンを押下 |
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Click here・・の"here"部分を押下 |
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”追加”ボタンを押下 |
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5)オンラインアカウントの設定(オプション)
これはアプリケーションメニュー→設定→システム設定→オンラインアカウントから
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例えば、Googleのアカウント登録を行うとカレンダー等との同期が行えます。ここまでやれば、過不足ない使用環境になるかと・・(^^;
6.LMDE 3→LMDE 4 アップグレードインストラクション
アップグレードは、あわててやらないように・・という注意書きがあります。インストラクションを理解して行う必要があります。
→https://blog.linuxmint.com/?p=3869
必要な方は以下を参照願います(実施はOwn Liskです)。
→https://community.linuxmint.com/tutorial/view/2475
7.評価
機能性:S、安定性:A、軽快性:B、インストール・初期設定・基本設定・日本語化残処理の平易性:B+
最新Cinnamonのアプレット、デスクレット、拡張機能は非常に充実しており(中には動かないものもありますけど(^^;。。)Gnome 3のGnome shell extensionとはまた違うデスクトップの強化が行えます。
冒頭のスクリーンショットや末尾のスクリーンショットに関しては、相当数のアプレット、デスクレット、拡張機能を使用しています。またデスクトップに関わるテーマや壁紙も大量にpre-installされており、これらだけを使用してデスクトップカスタマイズを行っています。
pre-installアプリケーション・ツール群も潤沢であり、困る事はまずないものと思います。
Debian 10 Stableベースであり、安定性も◎(バックポートは使用していますが。。)。
基本設定の時刻の調整箇所を除き、コマンドレスで全設定が行える所は◎ですが、特に日本語化残処理では、1箇所触ればOKとまではいっていません。ただし、LMDE 3の時と比較した場合どちらが簡単なのか・・という見地では、機能性が整理された分、LMDE 4の方がわかりやすいかも・・という判断をしています(複数箇所を触る必要があるとしてもです。問題は触る必要のある機能性を探し出す事ができるか・・という点なんですが)。
Debian baseの中で、デスクトップ環境としてCinnamonを選択する場合には、Cinnamonの開発元がLMDE(Mint)と同じって事もありますので、やはり、このLMDE 4が筆者一押しの一本となります。
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