US産独立系Distribution KaOS。。アーキテクチャーは、Archです。誰がなんと言おうと。。ArchのAURもパッケージビルドしちゃえば動いちゃいますし。。ただし、repositoryは独自、AURに類するにKCPという仕組みも持っており、サポート面でも、Archとは異なります。独立系 Distributionと開発元が言っているのは、アーキテクチャとしてはArchなんだけど、Archとは連動しない・・一部仕組みも異なる・・という意味ではないかと思います。パッケージ管理は、pacman及びOctopi・・Octopiなのは、DEがKDEのためです。
2013年にプロジェクトが立ち上がり、当初KdeOSという名称でしたが、同年にKaOSという名称に変更されています。現在、KaOSは64bit onlyであり、しかもGPT/UEFI環境と仮想環境のみにインストール可能です。また要求されるHWスペックも若干高めで、メモリ:1GB minimum、HDD:25GB resonableとなっています。
筆者が最後にKaOSを触ったのは4年前ぐらいでしたが、さて、現在のKaOSは日本語環境も含め、どう改善されているのか・・今回は老舗のLinux distibution KaOSの最新版KaOS 2020.1を取り上げます。
1.概要
1)ベース:アーキテクチャはArchです(このため本ブログではカテゴリArchベースに入れています)。
2)デスクトップ環境 : KDE Plasma 5/Kernel : 5.4.7-1、 詳細は以下の通り
2.インストール
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languageはjapanese(日本語)は選択不可のためAmerican Englishのままでインストール |
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TimeZoneをTokyoとし、System languageを日本語に変更します |
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いつもと同様ですが、本体及びブートローダーのインストール先は環境依存のため参考になりません。また上記インストールプロセスにより、概ねアプリケーションの日本語化は完了します。3.初期設定
1)仮想デスクトップの設定
インストール後、初期設定パネルから実行する設定項目は、”VIRTUAL DESKTOPS"のみ・・筆者は2段、4枚の仮想デスクトップを設定しています。
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デフォルトでマウスのスクロールボタンにより、仮想デスクトップの切り替えは可能となっています。2)システムアップデート・アップグレード
これはコマンドで実行しても構いませんが、今回はOctopiを使って。。
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4.日本語化残処理
1)Languageを日本語にセット(Plasma Translationsのデフォルト値を"日本語"にセット)
これはKDEシステム設定→地域の設定から。。
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Add Languagesボタンを押下 |
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適用ボタンを押下 |
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3)Libreofficeの日本語化
前述したインストールプロセスを経てもLibreofficeの日本語化は行われません。
このため、以下のように別途Libreofficeのjapanese language packのインストールが必要です。これもOctopiを使って。。
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これでLibreofficeの日本語化が行われます。
以上でアプリケーションの日本語化はDone。。
4)中華フォントをnoto cjk jp系に変更
KaOSでセットされる日本語表示可能なデフォルトフォントは、中華フォントで・・結構みずらい場面が多いっていう問題があります。
という事で、これをnoto cjk jp系フォントに変更します・・が、KaOSの標準repositoryやKCPの中には、noto cjk jp系フォントは存在しません。今回はGoogleのホームページから直接取るやり方でnoto cjk jp系フォントを取得し、これをデフォルトフォントにします(他、Archより取得する方法もあります)。
取得URLはこれ→https://www.google.com/get/noto/
上記URLの検索Boxに"Japanese"を入力し、検索すると、noto sans cjk jpとnoto serif cjk jpフォントセットが表示されますので、この2つをダウンロードし、解凍、この後、KDEシステム設定→フォント→フォント管理→Install from File..から解凍した全フォントファイルを選択してKaOSにインストールします。
検索BoxにJapaneseを入力→noto sans cjk jpとnoto serif cjk jpフォントセットをダウンロード |
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これらを解凍・・ |
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解凍後のnoto sans cjk jp |
解凍後のnoto serif cjk jp |
まずは、noto sans cjk jpフォントのインストール・・。
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noto serif cjk jpフォントも同様なoperationでインストールします。
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以上でフォントのインストールは終了です。次にKDEシステム設定→フォント→フォント・・から、デフォルトフォントをnoto sans cjk jp系フォントに変更します。
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上記処理で、Falkonや、libreoffice等のデフォルトフォントが変更されます。
以上でデフォルトフォントの変更処理は終了です。
5)日本語Input method(fcitx-mozc)のインストールと設定
KaOSでは日本語input methodはインストールされません。今回はfcitx-mozcをインストール&設定しますが、.xprofileの作成箇所までは、Manjaroや、Arcolinux等と同様な処理の流れとなります。
①fcitx-mozcのインストール→ターミナルを使って以下コマンド投入
sudo pacman -S fcitx-mozc fcitx-gtk2 fcitx-gtk3 fcitx-qt5
後にinput methodの設定が必要となるため、合わせてkcm-fcitxもインストールします。
→sudo pacman -S kcm-fcitx
②自分のホームディレクトリ直下に.xprofileを以下内容で作成
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
③上記処理終了後一旦logout/loginし、"入力メソッドーシステム設定モジュール"を使ってinput methodの最終設定を行います。
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"現在の入力メソッド"の箇所を上記のような並びにします 一番上が、"キーボード-日本語"、二番目が"Mozc"です |
以上の処理終了後Input methodを再起動するか、logout/loginで、pre installされたアプリケーション上での日本語入力が可能となります。
注意)Input method(fcitx-mozc)の問題
pre-installされたアプリケーションで主要日本語入力が必要なもの・・web browser(Falkon)、Libreoffice、kate、KWrite、Krita等においてはfcitx-mozcによる日本語入力は問題ありません。
ただし、追加インストールが必要なFirefoxや、Thunderbirdでは日本語入力できない現象が発生しています。反面、追加インストールが必要なKmailに関しては日本語入力が可能です。
FalkonやKmailがあれば一般的な処理はあまり困りませんが、上記問題がある事には注意が必要です(環境変数等をかなり見直しましたが、この問題は収拾できていません)。
5.評価
インストール・初期設定・日本語化残処理の平易性:D、安定性:A、機能性:B、軽快性:B+
極めてきれいなデスクトップを作成できますが、フォントの問題を含む日本語化残処理の難易度が高めです。pre installアプリが若干少ないという問題は、インストールすればそれで済むため大きなものではありませんが、やはり、追加インストールしたアプリ上で日本語入力がうまくいかない所はNGです。
またrepositoryは、KaOS repositoryが置かれた海外サーバーを使用するしかなく、割に一度のアップデートが多めにかかかるDistributionのため、アップデート処理やアプリケーション等のインストールに時間がかかリすぎるという問題もあります。
デスクトップの機能性としては、Yukuake(drop down terminal)もpre installしており、面白い面もあるんですが・・。
ちなみ冒頭のスクリーンショットは、ウィジェット、ドック等を筆者が配置しているため、一見すると良い感じですが、設定直後はデスクトップにパネルのみ存在する至ってシンプルなものとなっています。
筆者的には、国内で使用するならば、KDE環境でArchアーキテクチャーのLinux distirubitionとして、Manjaro KDE editionがあり、日本語化残処理がKaOSよりも平易、機能性も◎、しかも国内サーバーがrepositoryとして利用できるため、アップデートにかかる時間を大幅に短縮できる事から、KaOSよりは、どうしてもManjaro KDE editionの方がおすすめとなります。
米国でしかも英語で使用するならば、間違いなく快適なDistributionなんですが( ^^ ;・・
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