Q4OS 3.9 stable Trinity edition 〜Debian 10.1ベース+日本語-言語サポートが加わったQ4OS 3.9 stable Trinity editionの出来は如何?
Q4OS 3.9 stable Trinity edition・・Debian 10.1ベースとなってリリースされてきた軽量・軽快Linux distiribuntionです。
前edition・・Debian 10ベースのQ4OS 3.8 stable Trinity editionは、日本語表示箇所で文字化けするため、これを収拾する必要がありましたが、今回は言語サポートとして日本語が加わったため、文字化けは発生しません。だだし、fcitx-mozcを設定しても、KWrite、Konquerorでは日本語入力ができないのは変わりようもなく。
日本語input methodとしてuimに変えればこれらアプリ上でも日本語入力は可能となります(iBusでも駄目です)。Q4OS 3.8 stable Trinity editionの投稿の際にはあまり詳しくこのあたり記載はしていませんが、fcitx-mozcを設定したとしても、Q4OSのpre-installアプリ上で日本語入力できるものはほぼ皆無という結果になります( ^^ ;。
筆者の場合は、webブラウザとして、FirefoxやChrome、オフィスsuiteとしてLibreoffice、テキストeditorとしてmousepadを追加インストールし、Konquerorの代わりに、Firefox等(Konquerorはstartup作成時やファイルマネジャーとして利用する場合のみ使用しています)、KWriteの代わりにmousepadを使用するような環境にしており、これら追加インストールしたアプリケーション上では、無論fcitx-mozcによる日本語入力は可能です。
どうしてもKwrite等で日本語入力を行いたい場合はfcitxではなく、uimをインストールして設定する事・・このあたりが必要となります。今回もfcitx-mozcによる日本語入力方法を設定しますが、あくまでもこれは上記のような前提条件があるという点に注意ください。
尚冒頭や、末尾のスクリーンショットに関しては、筆者カスタマイズ後のものとなりますので、デフォルトとは異なります。壁紙、アイコンテーマ等は変更し、パネル構成も変更していますので、注意ください。
1.概要
1)ベース:Debian 10.1 stable
2)デスクトップ環境:Trinity 14.0.6
3)カーネル:4.19.0-6-amd64
meltdown等HW脆弱性対策適用度は・・
MDSに関する脆弱性対応度とサマリー部分のみのスクリーンショットですがまず問題の無いレベルです。
2.インストール
インストールの流れは、Q4OS 3.8と比較しても、そう変わりませんが、日本語サポートのおかげで日本語表示可能フォントのインストールが不要となり、デスクトップ表示倍率の設定画面が追加されます。
1)インストールメディア・ブート時の初期設定
インストール中のデスクトップスケールのため、そのままApplyボタンを押下 |
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OKボタンを押下し、Wifi設定を実施(有線の場合は無し) |
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使用言語としてJapaneseがセットされるためOKボタンを押下 |
Desktopに表示されている"Install Q4OS"をダブルクリック |
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本体及びブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。3)インストール完→再起動後のポストインスタレーションプロセス
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ディスプレイスケールは1倍に変更 |
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OKボタンを押下してWifi設定へ(有線の場合は無し) |
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Yesを押下 |
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Trinityを選択 |
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"Full featured Desktop・・・"を選択 |
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Installを押下 |
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以上でポストインスタレーションプロセスは完了です。3.初期設定
1)Welcome Screen→Codecsのインストール
Q4OS 3.9のWelcome Screenから”Install Proprietary Codecs"を押下しCodecsのインストールを完了させます。
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2)Synaptic→Debian repositoryを国内サーバーへ変更→システムアップグレード
repositoryの中で"ftp.debian.org"の箇所を全て"ftp.jp.debian.org" に変更
↓
上記のように変更後、OKを押下 |
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3)コントロールセンター機能のアンロック
Q4OS 3.9の設定機能は一部ロックがかかっており使えない状況となっています。例えば、キーボード・ショートカット機能の定義等です。
これをアンロックしてしまいます。
ターミナルから、sudo kcmodules --unlock を投入。
これで初期設定は終了です。
Q4OS 3.8の場合、NumlockがデフォルトOnの状態でしたが、Q4OS 3.9は、Numlock Offとなっていますので、対処する必要はありません。
4.日本語Input Methodのインストール&設定
前述した通り、pre-installアプリではほとんどfcitx-mozcによる日本語入力は不可ですが、そもそも日本語入力が必要なものは通常利用においてテキストeditorやwebブラウザ、office suiteぐらいです。これらは全てpre-installアプリの代替がききますので、通常使用の場合、あまり問題とはなりません。
それでもという場合は、uimでいけますので、uimを試してみるのも良いでしょう。
本投稿ではfcitx-mozcをインストールし設定します。
fcitx-mozcのインストールは、ターミナルから、sudo apt install fcitx-mozc で。。
一般的にDebianベースの場合、fcitx-mozcをインストールし、logout/loginでfcitx-mozcによる日本語入力が可能となりますが、Q4OS 3.9では、半角/全角キーを押下しても日本語入力モードになりません。
この対処は以下のように(fcitx-mozcをインストール→logout/login後に実行)。。
パネル上のIM Indicator icon上でマウス右ボタンクリック→"設定"を選択 |
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入力メソッドの並びを以下のように変更(英語キーボードは削除) |
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上記までの設定で半角/全角キーで日本語入力は可能となりますがインラインができません。このため、上記設定に続けてアドオンのタグへ移り、”Advanced”にチェック→拡張addonを表示させた上で以下を行います。Fcitx XIM Frontendをダブルクリック |
↓
"XIMでOn The Spot スタイルを使う"にチェックを入れる |
↓
以上でfcitxを再起動するか、logout/loginでfcitx-mozcによる日本語入力がインラインで可能となります。
Libreoffice writerでのfcitx-mozcの日本語入力例 |
1)Libreoffice,Firefox,Thunderbirdのインストール
Q4OS 3.9は必要最小限のアプリケーションのみpre-installされています。Libreoffice,Firefox,Thunderbirdを追加インストールする場合、合わせてそれぞれの日本語化パッケージをインストールする必要があります。それぞれの日本語化パッケージは以下の通り。
Libreoffice→libreoffice-l10n-ja
Thunderbird→thunderbird-l10n-ja
Firefox→firefox-l10n-ja
2)Chromeのインストール
面白い事にKonquerorの初回起動時に、Google Chromeのインストールをするかどうか聞かれ、するとした場合には継続してChromeのインストールプロセスに入ります。
Chromeの方がはるかに使いやすいのと、fcitx-mozcによる日本語入力にも問題が無いため、ここではインストールした方が良いと思います。
3)実は・・
ポストインスタレーションプロセスの中でFull featured desktop指定でインストールしているため、LibreofficeやChrome等はインストールされていて然るべきなんですが・・結果を見るとこれらがインストールされていなかった・・という事実があります( ^^ ;。うーん・・。
6.評価
軽快性:S、機能性:A、インストールの平易性:A、基本設定の平易性:B+、日本語化残処理の平易性:B-、安定性:A
といった所です。
login直後の消費メモリーは。。
Sランクの消費量の少なさです。
インストールに関しては、ポストインスタレーションプロセスがあるっていう珍しいタイプですが、日本語に対応したという点と処理自体は難しい事がないため、◯です。
Trinity Editionは、ベースラインのデスクトップの機能性として十分です。ただし、TrinityがKDE 3派生のデスクトップという事でKDEの設定方法がそのまま使えるか・・というと全く別物ですでので、インターネット上にあまり情報が無いという事もあって、Q4OSのホームページ(英文)を参考にして設定を進めていく必要があります。Q4OSのホームページの内容でそこそこいける環境に仕上げる事は十分可能ですので、細かい設定に関しては、Q4OSのホームページを参考にって事で。。
全体を通してみると若干設定内容が煩雑ですが、出来上がった環境は俊逸です。超軽快なデスクトップ環境をDebian 10ベースで使用したい場合は、選択肢が一気に狭まりますが、間違いなくその中の1本となります。ある程度Linuxスキルがある場合で、軽快なLinux distirbutionを探している方にはオススメの一本!。
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