超軽量タイプDebian Base・・antiX。。日本語化の観点で筆者を長年に渡って苦しめてきたLinux distributionですが、Debian 9 stretchからDebian 10.1 Busterへ、ベースラインを変え、antiX 19としてリニューアル・・登場です。
antiX 17.xと比較すると、antiX 19は、antiXメジャーバージョンアップとして、かなり多くの変更ポイントがあり、おそらくこの一回こっきりの投稿で内容をまとめるのは不可能です。
このため、今回は、とりあえず使用に耐えうる環境を構築するまでの内容とし、必要に応じて別途投稿記事を起こすといった形にしようと思います。
超軽量タイプDebian base antiX 19ですが、今回も、その軽快&軽量性という特徴はそのまま踏襲・・。
流石にlogin直後の消費メモリーが、258MBというのは今まで見てきたDebian/Ubuntu/Archベースの中でやっぱりトップなのは当たり前・・・が、Lubuntu 18.04.3ベースのLXLE 18.04.3の猛追が結構すごくて・・LXLE 18.04.3のlogin直後の消費メモリは、268MB程度。結構ためはってますね。→本ブログLXLE投稿記事参照→https://www.linux-setting.tokyo/2019/09/lxle-18043-lubuntu-lxlelubuntu-18043-lts.html
現在の所、この2つがぶっちぎりのlogin直後の消費メモリーの少なさって事になります。
ただし、antiXは、Debianベースでありながら、インストール&日本語化プロセスは、かなり独自であるため、ちゃんと使える環境まで持っていくのは割に労力が必要なDistributionとなっています。
Debian 10.1ベースのantiX 19についてどうかといえば、日本語化に関して、antiX 17.4と同様な流れでいけるため(本ブログ内LINK→https://www.linux-setting.tokyo/2019/03/anrix-174debian-98debian-stableng.html)、筆者的には特段苦労をした箇所はありませんでした。またWifi接続設定方式の改善等、全体的に良い方向にデスクトップ環境が整理され、すきっりした感があります・・とは言うものの、やはり、Linux中上級者向けである事は変わっておらず、初心者向きではありません。特にインストール時の事前設定に関して、内容が、かなり詳細化されましたが、何を設定すれば良いのかわからないという事もありえます。また管理機能も以前の17.4と比較すると、変更ポイントが結構あって、どこに目当ての機能があるのか探すのに苦労したりします( ^^ ;。
と・・言うことで今回は、antiXの最新版 Debian 10.1 BusterベースantiX 19を、使うにあたって困らないレベルに仕上げるまでの設定内容に関しまとめていきます。
尚、antiX 19.2をインストール&設定する場合は、以下の本ブログ記事もあわせてご覧ください。
1.概要
1)ベース:Debian 10.1 Buster
2)デスクトップ環境:今回はRox-icewm環境版を取り上げます
3)カーネル:4.9.193-antix.1-amd64-smp
2.インストール事前設定とインストール
1)インストール事前設定
インストール先は、内蔵SSDとして設定内容を固めています。
ブート時メニューで上から2番目を選択 |
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Select Languageでは39を選択(39=Japanese) |
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ターミナルのカラムを選択→1を選択(デフォルト) |
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Timezoneの設定→60を選択(60=Tokyo) |
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ここは細かくて選択に苦慮しますが、1を選択(1=Default) |
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automountオプションですが、この箇所は筆者は明示的に2を選択しています |
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インストールオプションの一つですがSSD/HDDにインストールする 場合は、1を選択(1=Default)してOK |
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フォントサイズの指定ですが、これも1を選択(1=Default) |
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デスクトップの選択です。これは2を選択(2=Rox-IceWM) |
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インストール事前設定内容の保存メニューですが、ここは1を選択(1=Yes) |
以上でインストールの事前設定が完了し、指定した事前設定パラメーターをベースにantiX 19がブートします。事前設定内容は結構細かくなっていますが、内蔵SSDやHDDにインストールする場合、languageやtime zoneを除き概ねDefault値でいけます(ただしグラフィックス周りは注意)
2)インストール
インストールの流れは以下の通り。尚、本体及びブートローダーのインストール先は環境依存となりますので参考になりません。
① Wifi接続(有線接続の場合は必要なし)
Wifi接続環境を使用する場合、antiX 19ではCeniを使用する必要はなくなっています。
コントロールセンター→Network→WiFi connect(Connman)を選択・実行
Wired EthernetがOnになっているためこれをOffに |
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WiFi WiFiが初期状態ではOffになっているためこれを上記のようにOnに |
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"Wireless"メニューに移り接続するSSIDを選択後"Connect"ボタンを押下 |
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passphrase入力画面が表示されるため、SSIDのpassphraseのみを入力し OKボタンを押下 |
以上でWifi接続が完了します。
② インストール(UEFI使用)
インストールは、GPT+UEFIの環境で行ったものです。Debian 10.1ではSecure Bootでも問題はありませんが、antiX 19では、Secure BootをOffにする事が必要です。
筆者はChange Keyboard SettingによりNumLock stateを明示的にOff にしています。 |
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3.初期設定
Wifi接続はインストール時の設定内容が維持されますので、再設定は不要です。
1)repositoryの最適化とシステムアップデート&アップグレード
Debian repositoryは国内サーバーとなているため変更の必要はありません。
antiX repositoryは国外サーバーとなっているため、必要に応じて国内サーバーに変更します。
これはメニューから”アプリケーション”→”システム”→”リポジトリマネージャー”を使用して行いますが、若干バグっぽく・・このため、今回は、synapticを使用してantiX repositoryを国内サーバーに書き換えています。
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山形大学のrepositoryに書き換えています |
以上でOKボタンを押せば、repositoryの最適化は終了。synapticの”再読込”→”すべてアップグレード”→”適用”を順次押下してシステムアップデート・アップグレードを完了します。
4.日本語化残処理
日本語化残処理は、本ブログ antiX 17.4投稿記事内の日本語化残処理の内容と同一です。
⇒https://www.linux-setting.tokyo/2019/03/anrix-174debian-98debian-stableng.html
1)日本語language pack、fcitx-mozcのインストール
メニューからコントロールセンターを立ち上げ、System→Package Installerを選択・実行し、language sectionの中で以下をインストール対象としてチェック、Installボタンを押下してインストールします。
以上で、日本語language packとfcitx-mozcのインストールが完了しますが、fcitx-mozcについては以下モジュールのインストールが漏れます。
・fcitx-frontend-gtk2
・fcitx-frontend-gtk3
・fcitx-frontend-qt4
・mozc-utils-gui
このため、これらをターミナルから追加インストールします。
2)fcitx-mozc設定
同じくメニューからコントロールセンターを立ち上げ、Session→User Desktop-sessionを選択・実行し、"startup"と"desktop-session.conf"の内容を以下のように修正します。
① startup
上記反転部分を追記し保存します。
追記内容は・・
#fcitx-autostart
fcitx-autostart
この2行・・
② desktop-session.conf
上記反転部分を追記し保存します。
追記内容は・・
#SET FCITX
export DefaultImModule=fcitx
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=fcitx
この5行・・
以上で再起動すると、fcitx-mozcによる日本語入力が可能となります。
注意:一般的に、再起動ではなく、logout/loginでいけますが、antiX 19はlogout処理を行うとブラックスクリーン状態となりlogoutできません。このため再起動としています。
おそらく、このあたり、antiX 19.1あたりで収拾されてくるものと思います。
5.評価
軽快性:S、インストール・初期設定・日本語化残処理の平易性:D、機能性:A、安定性:B+
こういった所ではないかと思います。antiXはレビジョンがアップしただけで、設定方法が変わるっていう面倒な事があって毎回すったもんだしますが、今回は日本語化の部分に限っていえば、antiX 17.4と同じでしたので、ハマることもなく。。ただし、インストールの事前設定がより深くなり、wifi接続方式等も変更されてきていますので、注意が必要です。メニュー等の日本語化や日本語入力部分の設定に関しては、パターンさえ押さえておけば今の所大丈夫ですが、その他の設定箇所に関しては結構奥が深い・・という感じでしょうか・・。筆者も全て押さえ切れていません。。
こういった障壁をクリアーすれば、間違いなく機能性を犠牲にしないタイプの最軽量Linuxであり、デスクトップ環境もすっきりしてきている事から、low performance PCを使用している場合にはオススメの一本となります。ただし、Meltdown、spectre等のHW脆弱性対策が施されるマイクロコードが提供されない古いCPUを搭載するPCを使用している場合は、PCの買い替えを検討した方が良いでしょう。。
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