Debian 10 "Buster" Cinnamon edition ~Wifiネットインストール(netinst)、基本設定、日本語化残処理


さて今回は、Debian 10 "Buster" stable Cinnamon editionに関してです。デスクトップ環境として、Cinnamonは、Linux Mintで採用されている事で有名ですが、元々、Linux Mintのために開発されており、開発元は、無論Linux Mint開発teamとなっています。Gnome 3をベースとした高機能デスクトップ環境であり、Gnome3がgnome-shell-extensionでデスクトップの機能強化を図るのに対して、Cinnamonは、"Applet"、"デスクレット”、”拡張機能”でデスクトップの機能強化を図っています。

Windowマネージャーは、Gnome3のMutterのフォークであるMuffinを使用、最新のCinnamonのバージョンは4.0となっています。

高機能デスクトップといえば、やはりgnome3か、KDEか、このCinnamonか・・という事となりますが、各デスクトップ環境のデスクトップ強化を施していくのに比例してシステムリソースを費やすという事になりますので、強化は適切に実施していく・・という考え方が必要になります。

さてDebian 10 Cinnamon editionにおいてデフォルトでデスクトップ機能強化されている項目として以下のものがあります。

①Applet→主にはパネル表示されます。
calendar,panel launchers,power management,system tray,user applet, window list,キーボード,サウンド,デスクトップを表示,ドライブを取り外す,ネットワークマネージャ,メニュー,通知メッセージ

筆者は上記に加え、天気、ゴミ箱を追加しています。panel launchersを使用すれば、パネルをドックのように使用できますが、筆者はパネルスペースをこれで費やす事があまり好きではないため、plankを追加導入、デスクトップの右端縦に表示させています。


②デスクレット→主にはデスクトップ表示されます。
デフォルトでの機能強化は無し。

筆者は、analog chronometer、ClockTow deskletを追加・表示させています。

analog chronometerはアナログ時計、ClockTow deskletはデジタル時計です。

③拡張機能→主にはデスクトップ全体に関わる挙動
デフォルトでの機能強化は無し。

筆者は、Watermarkのみを追加・表示させています。

watermarkは、壁紙にDebian Logoを表示させます。

上記の機能拡張を行った上でのDebian 10 Cinnamon editionのlogin直後の消費メモリーは以下のようになります。
やはりこんなものでしょうね。。

という事で、早速、Debian 10 Cinnamon editionに関してインストール(netinst)、初期設定、基本設定に関して投稿を始めたいと思います。尚、日本語input methodはデフォルトで、uim-mozcがデフォルト設定されており、今まで投稿したDebian 10各デスクトップと同じです。

Linux Mint Cinnamon editionでは、fcitx-mozcがデフォルト設定されるため、今回はgnome3系デスクトップではあるものの、日本語input methodは、fcitx-mozcに切り替えます。


1.概要

Debian 10のカーネル、HW脆弱性緩和策対応度やリリースノート等に関してはDebian 10 Xfce editionの投稿を参照ください。
https://www.linux-setting.tokyo/2019/07/debian-10-buster-stable-debian-10-xfce.html

追加情報
1)Debian 10 Cinnamon editionのCinnamonバージョン:3.8.1

2.インストール

インストールメディアの作成方法、インストールの流れは、Debian 10 Xfce editionの投稿内容と同じです。
https://www.linux-setting.tokyo/2019/07/debian-10-buster-stable-debian-10-xfce.html

ただしインストール途中で、デスクトップ環境を選択する際に、"Xfce"の代わりに”Cinnamon”を選択する箇所のみ異なります。

Debian 10 Gnome 3 editionのネットインストールの結果から言えば、インストールが途中でエラーになる現象はXfce editinと同様発生します。ここはXfce editionと同様な流れで継続インストールが可能です。

3.初期設定

①  sudoを使用可能とする

インストール後最初に実施すべき事項・・sudoを使用可能とする事もXfce editionと同じです。
上記のスクリーンショットで"superjeter007"の箇所をご自身のアカウントに変更したコマンドをターミナルから投入し( suでrootに入り、/usr/sbin/usermod -G sudo account名)、logout/loginで、sudoが使用可能となります。
 
② システムアップデート・アップグレード

これもターミナルから・・sudo apt update;sudo apt upgrade


以上で初期設定は完了です。

4.日本語化残処理

uim-mozcで良いという場合は日本語化残処理はありません。uim-mozcをfcitx-mozcに切り替えたい場合のみ以下を実行する必要があります。

①  fcitx-mozcのインストール

⇒ sudo apt install fcitx-mozc

② 日本語input methodをibus-mozcに切り替える

⇒im-config
 ↓
 ↓
 ↓
以上処理完了後、logout/loginでfcitx-mozcを使用した日本語入力が可能となります。

5.基本設定
基本設定のうち、やっておいた方が良いもの以下に。。

1)フォントの変更

デフォルト表示フォントの変更を行った方がデスクトップが見やすくなります。
⇒"システム設定"→"フォント"

 ↓

今まで紹介したDebian 10の各デスクトップ環境と異なり、fonts-noto-cjkは一式pre-installされますので、デフォルト表示フォントはお好みで上記のように変えます。

各アプリケーションに関しても、お好みで。。例えばFirefoxはこんな感じ。。
 libreoffice writerでは以下のような感じで。。

2)ターミナルアプリケーション

ターミナルアプリケーションはXtermですが、筆者はgnome-terminalをインストールし、これをデフォルトターミナルアプリに設定し直しました。こちらのほうが扱い易いため。。

3)カレンダー

これはgnome-calendarをインストールし、オンラインアカウントの設定によりgoogleアカウントを追加、google calendarとの同期を行っています。

尚、起動時、筆者のX250では、ACPIエラーが同様に発生します。この対処が必要な場合は、gnome 3 editionの投稿内容を参照ください。
https://www.linux-setting.tokyo/2019/07/debian-10-buster-stable-debian-10.html

5.評価

軽快性:B、インストールの平易性(netinst):B、日本語化の平易性:A+、機能性:A、安定性:A

こんな所だろうと思います。軽快性は、gnome 3 editionよりも評価が低くなっていますが、デスクトップ機能拡張の度合いによってここは変わります。

出来上がったデスクトップを見ればさすがCinnamon・・という結果です。gnome 3ではどうも。。という方は一度試して見る事をおすすめします。


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