反面、重い・・操作性・挙動は早いとは言い難いという弱点を持ち合わせて来た高機能デスクトップ環境KDE Plasmaですが、KDE Plasma 4からqt5とKDE framewarks 5をベースとしたKDE Plasma5に移行を行った時点でこの状況は変わってきています。
例えば、システムリソースの消費量もかなり軽減され、Kubuntu 18.04.2のlogin直後におけるメモリー消費量は500MBを切ってきます。
これはMateや、Xfce4よりもlogin直後のメモリー消費量は少ないという事になるわけですが、軽快性はMateやXfce4よりも劣っているように感じます。強めのWindow効果等により挙動がそう軽快ではないという印象を与えるのかもしれません。ただし、KDE Plasma 4と比較すると飛躍的にパフォーマンスが向上しているのは確かです。
UbuntuベースでKDE Plasma 5を採用している有名処としては、KDE neonがありますが、最新のKDE Plasma環境を使用したい場合は、Kubuntuよりもneonを選択したほうが良いと考えられます。しかしながら、Linux Distributionを選択する際は、サポートとのバランスが取れているかという点も重要で、Ubuntu 18.04 LTSに移行した瞬間にUbuntu 16.04 LTSベースをサポートから切ってしまうneonに関しては、若干不安を感じてしまいます。
この点、Kubuntuに関しては、充実した機能性もさながら、サポート期間も3年間しっかりやってくる事から、neonよりも安心感が持てる所が◎です。
という事で今回は、Ubuntu 18.04.2フレーバKubuntu 18.04.2に関して投稿を進めていきます。
1.概要
1)ベースライン:Ubuntu 18.04.2
このため、HWE(カーネル、Xスタック)に関する内容は、Ubuntu 18.04.2と同じです。
本ブログの以下内容・・HWE記述部分を参照
2)デスクトップ環境:KDE Plasma 5.12.7
他、KDE Frameworks、Qt version等上記スクリーンショットを参照
3)サポート期間:2021年4月まで
2.インストール
日本語指定でインストールすればメニュー等の日本語化、fcitx-mozcの設定も完了するタイプです。インストールの流れは以下スクリーンショットを参照・・。
1)システムアップデート/アップグレード
Discover(ソフトウエアセンター)をメニューから立ち上げ、システムアップデート/アップグレードを実施します。
上記Discoverの左側カテゴリ”Update”を選択 |
↓
右上端の"Update All"を押下して、System update/upgradeを実行します。 |
fcitx-mozcを使用した日本語入力も問題なく・・ |
1)テーマの変更(応用設定)
例えば、KDEシステム設定の左側”外観”→”ワークスペーステーマ"→”外観”を選択すると以下のWindowが表示されます。
右下端の” Get New Looks"を選択すると・・ |
↓
新しいテーマが、ネットワーク経由で取得できます。 |
これは以下スクリーンショットの左側に表示される設定カテゴリ”デスクトップの挙動”→”仮想デスクトップ”から行えます。
↓
筆者は 仮想デスクトップの数を4、段数を2としています。これによって仮想デスクトップの数が4となり、パネルに表示されるindicatorは、2段に別れ、上段に2、下段に2表示されます。
デフォルでは、Ctrl+F1、Ctrl+F2、Ctrl+F3、Ctrl+F4でそれぞれ1〜4のデスクトップへ移動するような定義になっていますが、これに加えて”一つ右のデスクトップに切り替え”〜"一つ上のデスクトップに切り替え”のグローバル定義を以下のように定義します。
これでXubuntu等とデスクトップ切り替えのキーの組み合わせが一緒になります。
3)デスクトップキューブの設定(応用設定)
KDE Plasmaでは設定によりデスクトップキューブが使用できます。デスクトップキューブにはいくつかの表示オプションがありますが、基本的な部分のみここで投稿します。
デスクトップキューブの設定は、”デスクトップの挙動”→”デスクトップ効果”を選択する事によって行います。デスクトップ効果の検索欄にcubeと入れると、"Desktop Cube"、"Desktop Cube Animation"の2つが表示されますので、この2つにチェックを入れます。
これでデスクトップキューブがenableになります。
仮想デスクトップの切り替えもデスクトップキューブアニメーションにより行われます。
4)Plasmoids(ウィジェット)のデスクトップ配置
KDE Plasma 5はウィジェットにより大幅に機能が強化されます。ウィジェットは、デスクトップ上でマウス右ボタンクリックにより表示されるメニュー中の”+ウィジェットの追加”を選択する事によって行います。
↓
デスクトップ左端にウィジェットwindowが表示されますので、必要なウィジェットをドラッグしてデスクトップにドロップすればデスクトップ上に配置されます。ウィジェットの移動や設定は2秒程度ウィジェット上でマウス左ボタンをクリックし続ければ、ウィジェットが設定可能状態になりますので、そのまま移動したり、マウス右ボタンクリックに切り替えて表示されるメニューから設定が行えます。
5)google calendarとの同期(応用)
Gnome3に関してはgoogle calendarとの同期は、”オンラインアカウント”の認証によって容易に行う事ができます。KDE Plasma 5においては”オンラインアカウント”の認証ではなく、korganizer(カレンダー)の設定から行います。
”Google Calendars and Tasks”を追加するとgoogleの認証Windowが立ち上がりますのでgoogleのID/パスワードを入れて認証を通せばgoogle calendarとkorganiser(カレンダー)の同期が行えるようになります。
ただしgoogleの2段階認証を使用している場合は2段階認証の最終段階で失敗するっていうバグがKmail、korganiserにありますので注意が必要です。
筆者は、Googleに関しては2段階認証を使用しており、Kmail及び、 上記korganaizerの設定では2段階認証でひかかるため、KmailはThunderbirdを別途インストール、calendarに関してはice ssb managerを使用して、google calendarをキックしています。
この際、ice ssb managerで使用するweb browserは、chromeを別途インストールして使用していますが、Kubuntu 18.04.2には、libappindicator2がインストールされていないため、chromeをインストールする前に、これをインストールしておく必要があります。
他ice ssb managerの詳細やChromeのインストールに関しては、以下本ブログの投稿済み記事を参照ください。
https://www.linux-setting.tokyo/2018/12/linux-mint-191-tessa-xfce-editionlinux.html
4.評価
機能性:A+、インストール&日本語化の平易性:A、軽快性:B+、安定性:A
となります。KDE Plasma 5に移行してからパフォーマンスが上がり、機能性、インストール&日本語化の平易性も十分、しかも非常に綺麗なデスクトップに仕上がる事もあり、評価としては◎。
軽快性・・いわゆる動作のキビキビ感なんですが、システムリソースの使用が少ない割にはそれほどでもありません・・。ここだけが弱点といえば、弱点かも。
Kubuntu 18.04.2・・完成度が高いKDE Plasma Desktop環境を提供していますので、初心者から玄人まで、おすすめの一本となります。
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