1.概要と特徴、機能性
Zorin OSは、もともと、Windows replacementとして登場してきたUbuntuベースであり、日本国内においても人気の高いDistributionです。
現行のZorin OSは、Gnome-shell/Gnome3環境ベースで、透過処理を施し洗練されたデスクトップと、十分なアプリケーションをpre-installしており、使いやすさや平易性を追求している特徴は変わっていません。
独自gnome-shell-extensionを使い、カスタマイズレベルはかなり高い方になりますが、elementary OSほどユーザのカスタマイズを許していない・・という事はなく、また設定や使用上の平易性という観点ではZorin OSの方が上だろうと思います。
Zorin OSのUbuntu 18.04 LTSベースの登場は、当初8月終わりと言っていたものが、秋の終わりとなり、現在は、2018年ー年末となっていますが、果たしてこのスケジュールどおりに出てくるかどうかはまだわかりません。
この遅れ方を見てみると、大きな環境変更を行ってくる可能性もありますが、Ubuntu 18.04 LTSベースのZorin OSがリリースされてきた時に何が変わったのか違いを押さえておきたい・・という筆者の考えもあって今回の投稿を行っていきます。
1)カーネル
さて、Zorin OS Core 12.4ですが、前回のUbuntu LTSカーネルサポート方式でも解説しましたように、Ubuntu 16.04 LTSの最後のポイントリリースUbuntu 16.04.5をベースとしている事から、カーネルは、Ubuntu 18.04 LTS/Ubuntu 18.04.1と同じ、4.15.0-42(現時点)を使用しています。無論XスタックもUbuntu 18.04 LTS/Ubuntu 18.04.1と同じです。
したがって、ある程度最新のハードウエアに対応していると共に、meltdown/spectre脆弱性緩和策適用度も18.04 LTS/18.04.1と同様で◎となります。
2)gnome-shell-extension
Zorin OSは、独自gnome-shell-extensionによってデスクトップの機能性をあげています。
頭に"Zorin"が付いているextensionが、Zorin独自に用意されたものであり、筆者は若干カスタマイズでしています。
これらは、gnome-twek-tool(gnome-tweaks)の”拡張機能”によって設定変更が可能です。
いくつかZorin特有のgnome-shell-extensionに関して紹介していきます。
例えば冒頭のデスクトップ横にドックっぽいものを表示させていますが、この機能は、Zorin Dashをenableにする事によって起動できます。
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Zorin taskbarは、Zorin Dashの”ランチャー”機能をパネルに持たせたイメージです。これをOnにすると・・
パネルにランチャー機能(ドック)が追加されます。Zorin OS 12.1 Liteでは、この機能を実現するために、DBXをパネルに埋め込んでいますが、Zorin OS 12.1ではgnome-shell-extensionにより実現してます(筆者はZorin Dashをenableにしてますので、この機能はOffにしていますが・・)。
Zorin window list bottom panelをenableにすると現在起動中のアプリケーションを、上部パネルに表示します(enableにすると、上部パネルが新たに追加されこの機能を提供します)。
これも、Zorin Dashに同様な機能がありますので、筆者はOffにしています。
3)Zorin Appearance
Zorin Appearanceはデスクトップ配置、テーマ等の変更を一括して行うZorin特有の機能となります。ただし、これを行うと、 ユーザ側の外観に関わる設定内容はリセットされますので注意が必要です。
例えば、筆者はZorin Dashの表示を行わせていますが、レイアウトの設定を行ってしまうとこの設定がリセットされ、Dash表示が行われなくなります(ただし、Dash内の表示内容がリセットされるわけではありあません)。
3.インストールと日本語化
日本語指定でインストールすれば、メニュー等の日本語化も含め、日本語input method(iBus-Mozc)のインストール&設定も完了します。これは当初のZorinと比べると飛躍的に改善されました。
4.評価
軽快性:B+、インストール&設定の平易性:A+、機能性:A、安定性:A
となります。
高いカスタマイズレベルであるのにもかかわらず、それをさりげなく見せているZorin OS 12.4 Coreですが、非常に全体の完成度が高く、日本語指定でインストールすれば、オリジナル設定で十分使えるレベルです。
操作性もgnome-tweaksの箇所を除けば、あまり迷うところもなく◎。
これはeditionが上がるたびに改善されてきていますので、Ubuntu 18.04 LTSベースでどうなるのか、非常に楽しみな所です。
カーネル&XスタックもUbuntu 18.04 LTS/Ubuntu 18.04.1と同じ・・、間違いなく筆者おすすめの1本となります。
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