今回はDebian base 超軽量・軽快タイプのDistribution antiXの最新版antiX 17.2・・特に難易度の高い日本語化(日本語input methodの設定を含む)に関して投稿を進めていきます。
antiXは、login直後のメモリ使用量が200MB台という超軽量・軽快タイプのDistributionです。最新のPCではその性能を十分に発揮できないほど軽いって事を意味します。
旧タイプのPCにインストールして使用するには最適と言われてきたantiXですが、今回のアップデートの目玉の一つは最新のmeltdown/spectre HW脆弱性緩和策を適用してきた事でしょう。
次に日本語化に関してですが、antiXは、今まで日本語化するにあたって筆者を最も苦しめてきたdistributionの一つです。
antiXコアをベースとするMX Linuxも若干クセはありますが、antiXほどではありません。
他日本語化の方式が異質なものとして、Bodhi linuxがありますが、これら日本語化の難易度が高いものの共通した特徴としては、意外にLinuxの日本語化を今まで手動で行ってきた場合に、ハマってしまうという点です。筆者も例にもれず( ^^ ;。。
Bodhiの場合は、language supportに相当する機能をロードして、その後、適用する流れを理解できていないと、日本語化は完結しません。
antiXの場合は、コントロールセンターの機能とその適用対象を理解できていないと、日本語化が完結しません。
双方、手動で日本語化を行った場合は、一つ手順を間違えるとぐちゃぐちゃになってしまいます。
今回、antiX 17.2の日本語化に関して、コントロールセンターの利用を中心に日本語化を完結する流れを整理して投稿していきます。
またよく見られますが、wicdを使ってWifi設定すると、次回login時、Wifiが自動的に接続してくれないとか・・このあたりも投稿内容に含めます。
要は、デフォルトで、違うものがWifi設定ツールとして有効になっているため、wicdで設定しても次回loginしちゃうと自動起動対象になっていないが故に自動接続してくれないっていう結果になります。wicdでも自動接続できない事はありませんが、今回はwifiのantiXデフォルトセッティング方式を書きます。
1.概要
1)ベース:Debian stable,Debian testing, Debian unstable/インストール時に指定
2)カーネル:4.9.126/インストール時にstableを選択した場合
meltdown/spectre HW脆弱性緩和策適用度に関しては・・
非常に優秀な状況です。
3)デスクトップ環境:ROX iceWM(他にFlux Box等にも切り替え可能)
今回はROX iceWM(デフォルトデスクトップ環境)の日本語化に関して書きます
2.インストール
インストールイメージからブートし、ブートメニューにてファンクションキーを使ってlanguageをjapanese、timezoneをtokyoに変更すると以下のような日本語表示になりますので、これでブートします。
次にデスクトップに表示されているinstallerを起動する前に、wifi接続設定を行います。再ログイン時の自動接続は必要ありませんので、"wicd"の使用で構いません。
antiX control center(コントロールセンター)が、メニューにいますのでこれを起動し、ネットワーク→無線接続(wicd)を選択・実行してwifi接続設定を行います。
この箇所はネットに有線接続している場合は、必要ありません。
次にインストーラーを起動し、以下の流れでインストールを行っていきます。
installerを起動すると、上記スクリーンショットのようにDebain stable、Debian testing、Debian unstableの選択に関する注意喚起が出てきます。
この後出てくる選択画面で、どれをベースにするかを選択するわけですが、 今回はデフォルトのstableを選択します。
この後インストーラーが起動され、最初に出てくるのがキーボードセッティング画面です。。
keyboard layoutはJPになっていますので、そのままで修正せず・・ただし、筆者は念の為、"advanced"タグの設定は以下のようにしました。
特にNumlockは、デフォルトでAutoになっていますが、明示的にoffにしています。
この後のインストールプロセスは、一般的なdebianベースとそう変わるところはありませんので割愛します。
そもそも筆者の場合、easybcdマルチブート用のインストールの流れとなりますので特殊っていう事もあり。
3.無線LANに接続する(次回ログイン時もWifi自動接続させる)
インストールが完了し再起動後、最初に行うのは、この無線LANに接続する作業です。
無論ネットに有線接続している場合はこの作業は不要です。
コントロールセンターに含まれる無線接続設定ツールがwicdのため、混乱を生む結果となっていますが、antiX 17.2の無線LANデフォルト設定ツールは、wicdではなくテキストインタフェースを持つ”Ceni"です。
ターミナルから以下のように、sudo ceni を打ちます。
↓
するとceniのテキストインターフェースが、ターミナル内に立ち上がります。
カラム移動はTabキーを使います。
"Hardware Interfaces"にwlan0がいますので、Tabキーを押し、wlan0に移動させ、エンターキーを押します。
"Scan"するか"Roam"するか聞いてきますので、"Scan"を選択した状態でエンターキーを押します。すると、wifi接続ポイントの検索が始まります。
検索結果が表示されますので・・・
Wifi接続ポイント(SSID)を選択し、エンターキーを押します。 |
↓
Preshared Key(SSIDのパスコード)を入力し、Acceptボタンを押します |
↓
一般的には何も指定せず、Acceptボタンを押します |
↓
終了させるため Yesボタンを押します |
以上で完了します。これで、Wifiに接続されると共に次回login時でも同一Wifi接続ポイントに自動接続されます。
4.日本語化残処理
さて、日本語化残処理を行う前に、まず、システムアップデート・アップグレードを行います。
ターミナルから、sudo apt update;sudo apt upgradeでも、synapticから”再読込”→”すべてアップグレード”→”適用”でも、どちらでも構いません。
1)Japanese language pack、日本語フォント、日本語input method(fcitx-mozc)のインストール
次に、コントロールセンターをメニューからキックすると、antiX Control Centerが立ち上がります。ここで、”システム”カテゴリに移り、Package Installerを起動します。
日本語化に必要なものは、このPackage Installerからインストールします。
インストール対象は以下チェックがついてるものです。
チェック後、Installボタンを押すとインストールが開始されます。
これでアプリケーションメニュー等の日本語化は完結し、日本語input methodの設定を行うための道具が揃いますが、実はこの段階では、fcitx-mozcに関する依存関係のインストール対象がいくつか漏れています。
漏れているのは、fcitx-frontend-gtk2,fcitx-frontend-gtk3, fcitx-frontend-qt4の3つですが、これをSynapticあるいはコマンドによってインストールします。
またmozc設定ツールも必要に応じてインストールが必要です(→mozc-utils-gui)。
これで日本語input method(fcitx-mozc)の設定処理に移ります。
2)日本語input method(fcitx-mozc)の設定
1)の処理によって、fcitx-mozcは自動起動対象として定義すれば、fcitx-mozcによる日本語入力ができる状態になっています。これはantiX control center(コントロールセンター)の”セッション”カテゴリに移り、ユーザデスクトップセッションを起動する事によって行います。
実は、ユーザデスクトップセッションを起動すると、ユーザデスクトップセッションに関わるconfigファイルの編集がまとめてできるようになっています(複数のconfigファイルがGeanyによってedit状態でOpenされます)。configファイル一覧が、window左側に表示されますので、"startup"を選択し、以下のように”fcitx-autostart"を挿入し、保存します(configファイル内の色が反転している部分を追加します)。
以上の処理が終了したら、logout/loginで・・・
fcitx-mozcによる日本語入力が可能となります。
5.他基本設定
1)ワークスペースの数を変更する
これは結構わかりずらい所で設定できます(笑。
以下のメニュー階層にいる、iceWMccを起動します。
"Number of Workspaces"を起動してワークスペースの数を調整できます(スクロール式って珍しいかも)。最大は4なので筆者は4にしています。
2)デスクトップテーマの変更
これは以下を参考に・・割にたくさんのテーマが入っていますので、お好みに応じてという事になります。
↓
6.評価
機能性:A、インストール・設定(日本語化含む)の平易性:C-、軽快性:S、安定性:A
antiX 17.2は、非常に軽量であり次元の異なる軽快性を実現しています。にもかかわらずpre-installアプリは豊富で、使う際にあまり困りません。
軽快性でS評価を出したのは初めてですが、反面使い勝手は他のDebian baseやUbuntu baseとは異なり、かなり慣れが必要なdistributionだと思います。
操作性や使いやすさにこだわるようなら、xfce4環境のMX Linuxを使ったほうが良いでしょう。
Linuxにあまり経験がない場合、設定しきれない可能性が高く、どちらかと言えば、玄人向きのDebian baseではないかと思います。
軽快性をどうしても追求したいというケースで、Linux経験が豊富な場合は、非常におすすめの一本となります。
(なお本投稿でスクリーンショットのデスクトップに表示させているconkyはオリジナル表示されているものを筆者が修正&表示させていますので、オリジナルとは異なります)
コメント
コメントを投稿